火山

比タール火山「地殻変動1m超」日本の地球観測衛星がとらえた!

 爆発的噴火から10日が過ぎたフィリピンのタール火山について、国土地理院は22日、地球観測衛星レーダー画像を解析した結果、火山島があるタール湖周辺で最大1メートルを超える地殻変動があったことをつきとめた。

 

 現地では、タール湖南西部を中心に、地面に亀裂がはいったり、段差ができる被害が広がっており、観測結果と一致している。

現在は小康状態だが

 この噴火は今月12日、フィリピンの首都マニラ近郊のバタンガス州に位置するタール湖に浮かぶ同名の火山島で発生。人的被害の報告はないが、島周辺では大量の火山灰が降り注ぎ、牛や馬などの家畜のほか、数千匹に及ぶ野生動物が犠牲になったといわれている。

 

 同国火山地震研究所(PHIVOLCS)の最新報告によると、噴火が発生した12日午後1時(現地時間)以降に観測された火山性地震は730回。このうち体に感じるマグニチュード1.2から、最大M4までの規模は176回を観測している。

火口直下へのマグマ貫入続く

 また体に感じない規模の低周波地震は、最近24時間以内で467回発生しており、タール火山の火口直下には、マグマが継続して進入している可能性があることを示している。

 

 こうしたなか、国土地理院は22日、地球観測衛星だいち2号が今月21日と、噴火が起こる前の昨年11月に観測したレーダー画像を比較した結果、タール湖周辺で大きな地殻変動が発生していることを確認。

 とりわけ、タール湖の南西側では最大1メートル以上の地殻変動が起きており、西と南を境に、地盤が隆起と沈降の正反対の動きを示していることがわかった。

 

 湖の南西側には、海へ注ぐパンシビット川が流れており、川の水位が低下したり、広い範囲で地割れが起きていることからも、マグマの蓄積や移動によって、地下の圧力が変化している可能性がある。

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