火山

ハワイ火山で爆弾発見!「溶岩流を止めた!」85年前の作戦

 

 米ハワイ島のマウナ・ロア火山周辺で先月下旬、2発の不発弾が登山者によって発見された。米地質調査所(USGS)は、「溶岩流を食い止めようと、85年前に投下された爆弾の一部だ」と発表した。

 

 ハワイ火山観測所(HVO)によると、見つかった不発弾は1935年12月27日、陸軍航空部隊が投下した破壊工作用の爆弾20発の一部。

1935年の溶岩流とは

 ハワイの火山というと、2018年に数カ月にわたって噴火と溶岩流出を続けたキラウエアが記憶に新しいが、1935年当時はマウナ・ロア火山で活発な活動が続いており、ハイウェイが通るフムウラから、島北東に広がる熱帯雨林保護区まで30キロの地点に溶岩流が達する寸前だった。

 

 保護区には、島内最大の都市ヒロの水源となっているワイルク川の源流があることから、当時の観測所所長トーマス・ジャガー氏が、溶岩の流れを変えるため、陸軍に爆撃を要請。その結果、驚いたことに溶岩流は次第に勢いを失い、その翌週には流れが停止したという。

溶岩流が止まった!

 4年後の1939年に被爆地点を調査したジャガー氏は、固まった溶岩の塊にヒットした爆弾の痕跡を見つけ、自分の作戦が成功したことを確信したが、1970年代後半に行われた再調査では、爆撃直後に溶岩流が止まったのはまったくの偶然で、ちょうど噴火活動が落ち着くタイミングだったと考えられている。

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