感染症
新型肺炎 世界で2014人 日本4人「市場の屋台でウイルス33個確認」
2020年01月27日 10時55分
中国内外で感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎の患者数は、世界保健機関(WHO)の発表で2000人を超えたことが明らかになった。
こうしたなか、中国の保健衛生当局は26日、最初に多数の患者があいついだ武漢市の華南海鮮市場の屋台で採取した33個のサンプルから、ウイルスの陽性反応を確認したと発表した。
屋台から陽性反応
WHOの最新報告によると、今月26日時点で感染が見つかった国や地域は、中国、日本、韓国、台湾、香港、マカオ、ベトナム、シンガポール、オーストラリア、マレーシア、タイ、ネパールのほか、米国、フランスの14国・地域で、患者数は計2014人にのぼる。このうち死者の数は56人に増え、武漢市以外の上海や河南省でも確認されている。
中国国家衛生健康委員会は会見を開き、「ウイルスの感染力が強くなっている傾向がある」と認めた。さらに、武漢市の華南海鮮市場を調査した結果、33個のサンプルから、新型コロナウイルスの陽性反応があったことも明らかにしている。
武漢在住の邦人の帰国を支援
報告によると、華南海鮮市場は水産物を扱っているという名目に反して、実際には野生動物の違法取引があり、陽性反応が確認されたのも、野生生物を取引している7番街と8番街の屋台22台に集中していたという。
ウイルスの感染源をめぐっては、北京大学などの研究チームが、市場で取引されていた可能性がある2種類の毒ヘビの遺伝子と非常に近いと指摘している。
安倍晋三首相は26日、首相官邸で会見を行い、武漢市在住の日本人のなかで帰国を希望する人がいれば、チャーター機などを手配して全員を帰国させる計画を進めていることを明らかにしている。