今しか作れない!ぽくぽく食感の「そらまめと生トマトの春ペンネ」

今回の馬田草織さんが紹介するのは、春が旬のそら豆を使ったレシピ。今しか食べられない、独特な食感を存分に楽しめる料理です。ぜひおためしください。

cakes読者のみなさま、こんにちは。

朝ご飯を食べ終えて9時ごろ仕事開始、いい感じで原稿は進んでるし、このまま書いちゃおうかなと思ったりもするけど、昼12時を過ぎると子ども部屋のほうから「きょうのお昼ご飯なにー?」と声がして、はっと我に返ります。仕事の手を止め、さて、今日の昼は何を作ろう……とキッチンに移動し、冷蔵庫を開けながらシンキング。で、昼ご飯が終わって片づけたら仕事再開、午後の仕事も佳境に入ると、今度は夕方5時半過ぎたあたりで「きょうの夕ご飯なにー?」と今度は昼よりやや期待値高めの声が。おっとそうか、そろそろ夕飯の支度しないとねと、ノートパソコンをとりあえずパタリ。ん。気が付けば、生活が子どもの腹時計ベースで回ってるではないか! こんな感じの日々が、そろそろ1か月を過ぎようとしています。

料理のことを書いてお届けしている私が書くのもあれですが、朝昼晩、規則正しく家のキッチンで料理し続けるのってなかなかに修行ですね、実は。とくに昼! 最近気が付いたんですが、昼が一番厄介なのは、すばり夕飯と違って酒が伴わない食事だから。お酒飲めない前提の料理だから、献立を考えるのによっしゃって感じにならないのでした。あれ、これ私だけかな。そして、なんといっても大変なのは、料理そのものよりむしろ何食べるかの献立を考えることの方。考えるといっても、誰かとZOOMで献立会議するわけでもなく、ましてや給食方式で計画的に決めておけるわけでもなく(やっぱりそのときの気分で作りたい)、冷蔵庫と相談しながら、頭の中でその都度気分重視で答えを出すんだけど。あ、お酒が飲める夜の献立はほとんど辛くないんです。飲みたいお酒があるので、答えは割とすぐ出ます。

まあでもその献立決めが1日3回エブリデイとなると、やっぱりこりゃちょっとした修行プレイです。ああ、やっぱり週に1度は外に飲みに行きたい! 食べに行きたい! ノー献立ライフ、希望! そのためにも敬愛する飲食店の皆様が、どうかこの惨状を戦い抜けますように。

とはいえ、1か月ほど修行の回を重ねてくると、抜け道も見えてきたり、気づきもあったりしました。エブリデイ献立地獄から少しでも楽になれたらと思い、この1か月で実際に作った料理や気づいたことなどを、noteに書くことにしました。これからはそちらも楽しんでいただけたら!

で、今回は、旬を迎えたそらまめが主役のレシピです。先月に引き続き、大人も子どもも喜ぶ、なおかつ呑める路線です。ちなみに、子どもに受けるかどうかはうちの娘でテストしておりますが、いぶりがっこやチーズ鱈など酒のアテ系が好きな小学生なので、味覚の路線はキッズにしてはややマイナーかもしれません。キッズたち、合わなかったらごめんね。

ほくほく、いやぽくぽくといったほうがいいのか。そらまめの食感は独特で、しかも旬は結構短い。だから出盛りにできるだけたくさん食べておきたい。私はとにかくそらまめが好きなので、目に入ると無視できません。茹でたり、さやごと焼いたりとそのものを楽しんだら、もう少しほかの食べ方もしたくなる。これまでも、ポルトガルスタイルの「そらまめとベーコンのワイン蒸し」や、そこからごはんものにアレンジした「そらまめとベーコンのワイン蒸しご飯」といったレシピをご紹介していますが、今回はパスタで食べます。このレシピ、うちでは3月末あたりから週1以上作ってます。そらまめの薄皮むきさえ慣れちゃえば、15分で完成しますよ。

生トマトを崩し炒めて作るフレッシュソースが、ぽくぽくのそらまめといいコンビ。アンチョビの塩気やうま味がひと仕事しています。もう少しボリュームを加えたいときは、牛や豚のひき肉を加えるのがおすすめ。ひき肉入りのレシピは、noteでご紹介してます。

では、パパッと作っていきましょう。

Menu do dia 本日のメニュー

「そらまめと生トマトの春ペンネ」

材料(2人前)
そらまめ 20粒
ペンネ 100g
生トマト 中玉1個
にんにく 1片
アンチョビペースト 小さじ1(またはアンチョビ2切れ)
オリーブオイル 大さじ3
塩 適量

つくり方

そらまめは薄皮をむく。手でむくときは、黒い線のような部分(おはぐろ)の下部分を爪でひっかけ、ひっぱりながらつまみ取り、平たい部分の皮をつまんで中の豆を押し出すと、皮がすぽんとむける。

包丁でむく場合は、包丁の刃の角をそらまめに軽く当てて浅く入れ、豆の周りをぐるりと切り、中の豆を取り出す。アボカドの種の周りに包丁を入れ、ぐるりとさせるようなイメージ。どちらでも、やりやすい方で。

にんにくはみじん切りし、トマトはざく切りする。ペンネは袋の表示通りにゆでる。

フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、ごく弱火でゆっくり温める。シュワシュワと音がして香りが立ってきたらアンチョビペーストを加え、溶かし混ぜる(アンチョビフィレの場合はへらなどでつぶす)。

アンチョビがなじんだらトマトを加え、

軽く混ぜたら蓋をし、トマトがくったりするまで中火で2~3分ほど加熱する。

トマトが崩れてきたらそらまめを加え、さらに蓋をして4~5分加熱する。そらまめに火がとおったら味をみて塩で調え、火を止める。茹で上がったペンネを加え、ソースとよく絡ませ、器に盛り完成。好みでパルミジャーノなどを削ると、チーズのコクと塩味でさらに呑めるパスタになりますよ。

さてさて、一緒に何を飲もうかな。果実味を感じつつ微かなタンニンもある赤ワインとか、いいですね。野生酵母たっぷりのクラフトビールもいけそうです。そらまめ独特の軽いクセと、合わせたい!

それでは、ほくほく食感のそらまめパスタと赤ワインで、良い週末を!



馬田草織さんのnoteはこちらです!


ケイクス

この連載について

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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