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【大相撲】

日本相撲協会の予防意識は他と比較しても高かったのに…さらなる感染拡大防止に一丸となることが先決[記者の目]

2020年4月10日 20時54分

人通りが少なくひっそりとした両国国技館

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 これまで徹底した感染予防に努めながら、感染者が出たことのショックは大きい。春場所の舞台、大阪から東京への移動は、新幹線利用も含め各部屋に一任された。部屋によっては全員が貸し切りのマイクロバスで移動。力士が少ない部屋では師匠が自らハンドルを握り、弟子を同乗させて帰京している。協会員の予防意識は、他の団体と比べても高かったはずだ。

 帰京後も所帯を持っている床山には部屋の出入りをやめさせ、若い力士がちょんまげの結い方を覚え、お互いの頭にくしを入れている部屋もあるほど。朝晩の検温はもちろんのこと、ちゃんこの買い出しで外出する際は1人。力士たちはほぼ外出禁止状態の生活を続けている。

 協会はこの日の陽性判明を受け各部屋にあらためて予防強化をアナウンスし、アンケートもした。稽古の環境、マスクと消毒液の残量など今後も細かな目配りをしていく。

 現時点で感染者は1人だけとはいえ、共同生活している幕下以下の力士であるため、国が定める特定の1カ所で5人以上のつながりある感染者が出る「クラスター」発生も懸念される。

 ただ、感染者が出たことは仕方がないことであり、誰からも責められることではない。芝田山広報部長は「この感染症は人ごとではない、身近に存在していると痛感してます」と言う。場所開催も協会の使命だが、まずはさらなる感染拡大防止に協会一丸となることが先決となる。(岸本隆)

 

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