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【大相撲】

“コロナ感染”力士名と部屋名は非公表「守っていきながら」大相撲から初のPCR検査陽性で夏場所開催に暗雲

2020年4月10日 21時27分

両国国技館

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 日本相撲協会は10日、幕下以下の力士1人にPCR検査で陽性反応が出たと発表した。当該力士は4日に発熱し8日に東京都内の医療機関で簡易検査を受けた。1度は陽性とされ9日に陰性と訂正されたが、10日により精密なPCR検査を受け陽性と判明した。力士を含め協会員から感染者が出るのは初めて。所属と名前は公表していない。

 都内では3日連続で1日では最多となる感染者が出た10日。史上初の無観客で開催した春場所を、1人の感染者も出さずに乗り切った大相撲も、ついにコロナ禍にのみ込まれた。

 電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「本人が重篤にならないことを祈ることが大切です」と感染した力士の体調を案じた。

 夏場所開催にも暗雲が立ち込める。相撲協会は夏場所開催を目指し、現時点では初日を2週間遅らせて5月24日としている。初日までまだ6週間以上あるが、春場所の無観客開催を決めた約1カ月前と比べ、国内の状況は目に見えて悪化している。

 7日に政府から緊急事態宣言が出され、加えて相撲協会初となる感染者が判明。予断を許さない状況になったと言わざるをえない。

 芝田山部長は「もちろん、こういう状況を踏まえてどういう形になるか分かりませんが、その状況(開催を目指す)に変わりはありませんが、世の中の状況も非常に緊迫した状況になってますので、これから話し合いの中でどういう方向性に持っていくか。これから会議の中で決めていかないといけない」。これまで一貫して夏場所開催を目指す方針を打ち出してきたが、この日は慎重に言葉を選んだ。

 当該力士の所属部屋と名前は非公表。芝田山部長は「幕下以下ということですから、私たちがしっかり守っていきながら対処していかなくてはいけない」と理由を説明した。協会内でも一部を除いて非公表となっているため、不安に感じている親方や力士もいるが、無用な差別を生まないよう考慮している。

 現時点では当該力士が所属する部屋の力士、協会員に感染症の症状を訴えている者はおらず、ほかの部屋にも体調不良者はいないという。

 当該力士は東京都内の病院に入院中で、感染するまでの行動は把握できていない。先行きの不透明感はぬぐえないが、同じ部屋の力士を検査するかを含め、保健所の指導のもと事態に対処していく。

 

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