オトコのコはアイドルになりたい!?

カスカベアキラ先生が「オトコのコ」の世界を描いたイラストストーリー「オトコのコはメイド服がお好き!?」の新シリーズとして「オトコのコはアイドルになりたい!?」（通称「オトナリ」）のイラスト＋ボイスドラマ＋声優トーク、のラジオ番組 第11回です！

オープニングでは、隣りの家の人から肉じゃがは貰えるか？の話で盛り上がります！ドラマでは、何やら怖い展開に突入しています！
「おしえて、あなたのヒ・ミ・ツ」では、「ダイエット中ですがチョコレートを食べてしまう」というお便りに、好きなお菓子の話題でトークしていきます！

そして、番組から重大発表、次回で最終回になります！最終回用のお便りを募集致します！

「おしえて、あなたのヒ・ミ・ツ」「実は私…オトコのコ？」各コーナーでは、パーソナリティーの2人への応援メッセージや番組の感想、やって欲しい事など、ドシドシご投稿をお願いします！

※番組のバックナンバー及び、9月25日に配信された「ニコ生特番(動画)」は、下方の「バックナンバー」よりご視聴頂けます。


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＜イラストストーリー・第10話＞


ツバサ「ぷっ……ふふ、ふふふｗ」
イツキ「わ、笑わないでよっ、ツバサちゃん」
ツバサ「だって…帽子はいいとして
　　そのサングラスとマスク……
　　やっぱりヘンだよ、イツキちゃんｗ」
イツキ「それが狙いだからっ！！！」

アヤシゲな手紙が届くようになってから数日。アイドルイベント帰りのツバサ“ちゃん”の横には――
オトコ姿のイツキ“ちゃん”！？

イツキ「ヘンな人が隣を歩いていたら、
　　ストーカーも近づいてこないでしょ？」

そう、イツキくんはツバサ“ちゃん”のボディガード…のつもりなのです。

ツバサ「せっかく一緒に帰ってるんだから
　　フツーの格好でいて欲しかったなぁ」
イツキ「ダメ！　私がただ隣にいても、
　　相手になめられるだけだから！」
ツバサ「イツキちゃん、カッコイイ♪」

――というツバサくんですが、内心は面白くて仕方ありません。
『おかしすぎるｗ　その恰好、完全にイツキじゃんｗｗ
オンナのコのはずなのに、服のチョイスが普段のイツキｗ』

イツキ「ま、まだ笑ってるぅ……」

ツバサ“ちゃん”の目線から逃げるように帽子をまぶかに被りなおすイツキくん。と、小刻みな振動が彼のポケットを震わせます。ぶるるる…ぶるるる…

ツバサ「電話なってるよ？」
イツキ「あ…うん、そうだね」
ツバサ「でないの？？」
イツキ「う、うん、あとでかけ直すから――
　　それより、手紙以外でヘンなことない？」
ツバサ「大丈夫だよ。
こうしてイツキちゃんが一緒に帰ってくれるし、
　　イツキちゃんがいないときは
　　“通りすがりの用心棒さん”がいるしね♪
　　このヘンが通学路なのかな～」
イツキ「と、とおりすがりのヨージンボー？」

『ぼ、僕のことっっ』
どこか探るようなツバサ“ちゃん”の言葉に、おもわずヘンな声で返してしまうイツキくん。

ツバサ「イツキちゃんがいない日は
　　必ず会うんだよ。すごい偶然だよね～ふふふふ」
イツキ「ほ、ほ、ほら家に着いたよ！！！！」

そこはグレーを基調とした上品そうな低層マンション。エントランスのオートロックドアの前で、イツキくんはまわりをキョロキョロ。

イツキ「部屋に入るまで油断しちゃダメだから」
ツバサ「うん。またね、イツキちゃん」
イツキ「じゃあ――」

改めて帽子を被りなおし、小走りに帰っていくイツキくんの後ろ姿を見送りながら、ツバサくんは……
『イツキ、がんばるなぁｗ
ほんとはオンナのコの格好で出歩きたくないくせに…。
おかげでオレは毎回、他人のマンションに“帰る”はめになっているけど、それくらい必死なんだな』
2人で一緒の帰り道は、彼にとって楽しい時間ではあるけれど、これが好ましい状況でないことはツバサくんにもわかっていました。笑ってはいられない――遠くなったイツキくんの後ろ姿を見つめながら、ツバサくんはつぶやくのでした。

ツバサ「このままってわけには、いかないよな…きっと」

◆◆◆◆

イツキ「だ、だからそんなんじゃないってっ！」
ツバサ「わわっ！」

生徒たちで混みあったお昼どきの学校の廊下、ツバサくんは教室から飛び出してきたイツキくんとぶつかりそうになります。

イツキ「あ、ツバサっ、ごめん！」
ツバサ「どうしたんだ？　急に飛び出してきて」
イツキ「あ…うん、なんでもないよ。
　　それより、お昼食べにいこう！　食堂でいい？」
ツバサ「あれ？　今日は弁当は？」
イツキ「う、うん…」

『なんだ…様子がおかしい？』
どこかハッキリしないイツキくんの態度に、ひっかかりを覚えるツバサくん。と、またしても小刻みな振動がイツキくんのポケットに響きます。ぶるるる…ぶるるる…

イツキ「はやく食堂いこっ」
ツバサ「イツキ？　電話なってるけど？」
イツキ「…ああ、あとでかけ直すよ」

『このやりとり、この前も――』

ツバサ「おい、イツキ！
　　いま3回連続でごまかしたよな？
　　なに隠してるんだ！？」
イツキ「べ、別に…なにも…」
ツバサ「何もないって態度じゃない。
　　悩みごとがあるならオレに話してくれよっ」
イツキ「………っ」
ツバサ「電話、何もないならココで出ろ」
イツキ「う…」

イツキくんがおかしいのはツバサ“ちゃん”を心配しているから――と思ってきたツバサくんでしたが、気が付けばイツキくん自身にもおかしなことがあったのです。
『なんで気づかなかったんだっ』

イツキ「…実は最近、ヘンな電話が多いんだ。
　　無言とか、妙な雑音が聞こえてくるとか……」
ツバサ「いやがらせ？　……まさか、イジメ！？
　　さっきも教室から飛び出してきたよな！？」
イツキ「ち、ちがうっ、さっきのは――
　　さっきのは、ちょっと前にオンナのコと一緒に
　　ゲームセンターにいたのを見られたみたいで
　　クラスメイトにからかわれただけで…」

『あれ…クラスメイトに見られていた？』
ツバサくんの心のなかでもやもやとイヤな気持ちが広がっていきます。

ツバサ「弁当は？　なんで今日、弁当ないんだ？」
イツキ「……いつも間にか、カバンから無くなってた」
ツバサ「はっ！？」
イツキ「最近、ヘンなことが多いんだ。
　　あんまり騒ぐつもりもないんだけど……」
ツバサ「――いつから？」
イツキ「先々週くらい」

『手紙が届いたときくらいからじゃねーか！』
ストーカーが狙っていたのは自分だけだと思っていたけど、まさかイツキまで――。
『イツキと一緒に…楽しくやりたいから始めたアイドルだけど…』
横目で見るイツキくんの表情はどこか寂しく、遠く先を見つめた目には力がありません。それはツバサくんが見たことがない、イツキくんの顔でした。
『イツキにこんな顔させるとか…ありえねぇ。
こんなことになるんだっていうなら…オレはもう……
アイドルになんてなれない！』

［つづく］


ストーリー：恵村まお／ 脚色：Col.Ayabe


※声優2人によるオマケ動画（第11回は「自己紹介に挑戦！」）を、ニコニコ「オトコのコはアイドルになりたい!?」チャンネルにて配信しています！（有料会員限定）

＜インタビュー掲載＞
お2人のインタビューを掲載した記事を公開中です！
「オトナリ!?」がどのように収録されているのか等、裏話が満載です！
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1577399574
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「オトコのコはアイドルになりたい!?」ニコニコチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/otokonoko

公式Twitter『オトナリ!?』＆『オトスキ!?』
@CafeCherryGirls



▲ツバサ＆イツキ（アイドル衣装）


▲ツバサ＆イツキ（学ラン姿）


▲ イツキ 役 ／ 三上丈さん & ツバサ 役 ／ 筆村栄心さん