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【格闘技】プロへ復帰の高山勝成『定年延長』に安堵 コロナ禍で試合延期に「延びる分には問題ない。3、4試合分をぶつける強い思いがあればいい」ウェブ会見で宣言2020年4月6日 20時58分
ボクシングで日本人初の世界4団体ミニマム級制覇を果たした後、アマに転向して東京五輪を目指し、3月に3年ぶりにプロへ復帰した高山勝成(36)=寝屋川石田=が6日、大阪市内でウェブ会議システムを使って取材に応じた。5月、37歳になる直前に組まれた復帰戦が、コロナウイルスの感染拡大を受けて延期。“定年”の規定でプロライセンスを失効する可能性も出ていたが同日、現役続行が認められる方向に。唯一、正規王者になっていないWBA王座を目指すことを示唆した。 逆境を常に力に変えてきたボクシング人生の最終章の幕開けを、高山が改めて宣言した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けたウェブ会見。この日、日本ボクシングコミッション(JBC)と日本プロボクシング協会の新型コロナ対策連絡協議会から現役続行に道筋をつける朗報が届き、表情には安堵(あんど)感があふれた。 「チャンスを与えてくれることに感謝したい。決められた日に、ベストのパフォーマンスで闘えるようにする」 40戦31勝12KO8敗1無効試合のキャリアを残したプロ復帰の直後、引退危機がすぐそこまで迫っていた。5月10日に地元大阪で、プロ復帰戦が決定したがコロナ禍で延期。2日後の誕生日でライセンスが自動的に失効する37歳となるため、定年の延長を訴えていた。 JBCの規定により、元王者は特例で定年延長の対象となるが、最終試合から3年以内の者のみ。高山のプロ最終試合は16年8月。36歳のうちに1試合消化する必要があったが、日本人初の4団体制覇という破格の実績が、柔軟な対応を後押しした形だ。 再スタートの目標を「現時点では言うことではない」と明言はしなかったが、既にWBAミニマム級10位にランクイン。戴冠したミニマム級4団体のうち、WBAだけが暫定王座だった。ここまでそろえば、言わずもがなだ。 WBA正規王座は2007年の統一戦で判定で惜敗。「試合を重ねてランキング重ねないと、たどり着きたい所には行けない。世界タイトルを奪還できるよう、ベスト尽くす」。早々に4団体覇者の看板を完璧に仕上げれば、次はライトフライ級。WBAスーパー王者・京口紘人、WBC王者の寺地拳四朗とのビッグマッチで2階級制覇という集大成も現実味を帯びる。 先の見えないコロナ禍にあっても、苦労を糧にした経験で慌てない。海外を転戦した10年前、立て続けに試合が流れて1年以上リングに上がれない時期もあった。 「延びる分には問題ない。3、4試合分をぶつける強い思いがあればいい」。現役生活は残り1、2年と先を見据える大ベテランを突き動かす原動力は、14歳で始めたボクシングが「この歳でも大好きだから」。今はただ、リングが待ち遠しい。 PR情報
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