2020-04-04

在宅勤務が始まり、いまが人生で1番幸せな春

零細企業社員。昼食は公園弁当派。

職場転々としているから春は毎年違う公園で桜を見る。

去年は池袋で桜を眺め、来年自分はどこにいるか考えながら、ぼんやり米をほうばっていた。

それがまさか在宅勤務になって、マンションの桜を見ながら弁当を食べてるとは思わなかった。

マンションの桜はいつも子供が遊んでいる広場に咲いていてやや近寄り難く、いつも気がついたら散っている存在だった。

在宅勤務の昼休憩は12からと決まっている。チャットで休憩に入りますと伝えるのもルール

いつもの弁当箱じゃなくて、洗いやすいタッパーに米と昨日の残りの春巻きと卵焼きだけつめて階段を降りると、マンション広場にはそこそこ人がいた。みんなそれなりの距離を保っている。

年代夫婦はシートを敷いてお弁当を広げ、老夫婦はベンチに座ってパンを食べて、子供母親サッカーをしていた。

のどかだった。牧歌的という言葉が頭をよぎった。

わたしも空いていたベンチに座って、秒で作った雑弁当を食べ始めた。見た目は最悪だけど美味しい。

こんな真っ昼間から、後ろめたさもなく、堂々と当たり前にマンション敷地内にいるのに不思議気持ちになった。

桜を楽しみながらタッパーの中身を食べて、お茶を忘れたことに気がついて部屋に戻った。

お茶を淹れたあとはベランダに出た。

さっきまでいた広場を見下ろすと、サッカーをしていた子供母親の輪に父親が増えていた。平日の昼間から家族3人でサッカー父親も在宅勤務で昼休みなのだろうか。いい光景だ。

父親経験者なのかボールを蹴るのがうまかった。

少し昼寝をして、チャットで戻りましたと言ってまた仕事に取り掛かった。

在宅勤務になってパワハラめいてる上司への緊張と萎縮がなくなった。画面に資料が映ると声だけになって圧が減る。バンバンと机を叩くマウスの音が聞こえないか資料に集中できる。資料が映ってない時は上司ウインドウを小さくしてしまえばよかった。小さい画面の中で動く上司はいかつい顔をしていても怖くない。愉快。

仕事が終わった後は、凝り固まった体をどうにかしたくて、そして少しでも運動不足が解消されるように沢山の家事をする。

食器を洗い、ご飯を作り、ルンバクイックルワイパーかけて、洗濯トイレ掃除をする。 

今まで平日夜に家事をすることなんてほとんどなかった。かろうじて弁当箱だけ洗って他は放置していた。

常に洗い物が溜まってるシンク空っぽだと誇らしい。

ご飯を作り出すと匂いにつられたパートナーが、休憩がてら部屋から出てくる。

一緒にごはんを作ったり、やることがなければ他の家事をしてくれる。

パートナーは週の半分は会社に泊まり、もう半分は終電という働き方をしている激務の人だった。平日はおろか、土日でも会えない期間があった。

それが4月になった途端、突然今までの倍以上の時間を一緒に過ごせるようになった。

昨日は引っ越し2年目にしてはじめて魚を焼いた。魚焼きグリルの使い方がわからなくて二人で調べながら頑張った。

冷蔵庫をあけて食材がぎっしり詰まってる光景もはじめてでわくわくする。今まではコンビニマクド外食だった。

パートナー集中力が切れて深夜休憩にはいタイミングで、少し歩いて二人でスーパーに行く。

米や肉や野菜お菓子を買った。

年末に買った米3キロがようやく無くなった。元々少なくなってたけど毎日食べてるとあっという間で驚いた。

肉や野菜エコバッグに詰める。腐らすことなく干からびさせることなく使い切れる確信を持てて嬉しい。満ち足りた気持ちで帰り道を歩いた。米は重いから交代で持って、Amazon使えばよかったのになんで買ったんだと笑った。多分ふたりともこの非日常に浮かれていた。

すっかりコートのいらない気温になっている。

夜桜が綺麗だった。

月も霞がかって風情があった。自然の美しさをそのまめ受け止められる心の余裕がある。 

夜桜を見上げながらずっとこんな生活をしてみたかったと気がついた。

夢が叶った気分でいる。

実際に似たような生活をしていた期間もあったけど、それは無職の時はだった。焦燥感自罰感情自暴自棄だった。

いねいな生活ってこういうのを言うのかな。心のゆとりをもって生活する日々がこんなに幸せなんて知らなかった。

状況が悪化したら心のゆとりなんて無くなるかもしれない。自分や大切な人が死ぬかもしれない、この局面を乗り越えても不況がきて失業するかもしれない。

それでもこの先こんな幸せな春は二度とこないから書き記したかった。

大変な人もいて不謹慎から匿名で書いた。

匿名ダイアリー日記を書くページ前のクイズは妙にマニアックなのがあって面白かった。

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