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平成17年11月30日
金融庁

チューリッヒ・インシュアランス・カンパニーに対する行政処分について

  • 1.  チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー(以下「当社」という。)については、当庁検査の結果(平成17年6月17日通知)及び保険業法第200条第1項に基づく当社からの報告によると、平成17年11月25日付で業務改善命令を行った付随的な保険金の支払漏れに係る問題のほかに、以下のような事実が確認された。

    • (1)利用者保護及び利用者利便に欠ける業務運営

      • 電話による契約締結において、免責事項の説明が不十分である等、契約締結前に重要事項の説明を十分に果たしておらず、保険業法第300条第1項第1号に違反する事例が多数認められた。

      • 保険金支払処理について、対人案件で1年超の滞留が3割、対物案件で3ヶ月超の滞留が4割となっている等、長期滞留事案が多数認められた。

      • 顧客からの苦情に対して、不誠実な対応を行うなど、苦情処理に対する取組みが適切性を欠いている。

      • 傷害保険の特約について、募集パンフレット上の支払い要件の誤表記を把握していながら長期間放置していた。また、実際の保険金支払に際して当該パンフレットの誤表記に従った運用をしていたため、本来支払うべきものが支払われていないとの事業方法書に違反する業務運営が行われていた。

    • (2)不適切な当局への報告態勢

      サービスセンターが示談行為を調査会社に依頼していた事実(弁護士法第72条違反)を、本部では把握していなかった。また、日本における代表者は、当局の保険業法に基づく報告徴求に対し、このような実態を十分に確認・検証しないまま、事実と異なる報告を行っていた。

    • (3)事務リスク管理態勢

      内部規定において、各事業本部等における具体的な事務リスク管理のための規定が欠落し、法務渉外部は正確な事務処理に向けた明確な指導も行えなかった。この結果、事務処理は各事業本部の担当者任せとなっており、当社として統一性を欠く不十分なものとなっている。

    • (4)経営管理態勢

      日本における代表者は、業務運営の実態を十分に把握しておらず、全社的なコンプライアンス及びガバナンスの発揮が不十分と認められる。また、内部監査については、以上のような問題点を全く把握しておらず、利用者保護、法令等遵守の観点にたった内部監査が実施されていない。

  • 2.  このため、本日、当社に対し、保険業法第204条第1項の規定に基づき、以下の内容の行政処分(業務改善命令)を行った。

    • (1)契約者保護及び契約者利便の観点から、保険金等支払、苦情処理等をはじめとする全ての業務について適切なものとなっているか、早期の点検を行い、問題があるものについては直ちに是正すること。

    • (2)内部監査を含む経営管理(ガバナンス)態勢及び内部管理態勢並びに法令等遵守態勢について、継続的に実効性のあるものとなるよう、整備・改善を図ること。

    • (3)業務改善命令に至るようになった問題等の原因となった役職員の責任の所在を明確化すること。

    • (4)上記(1)から(3)について、具体策及び実施時期を明記した業務改善計画を、平成17年12月14日までに提出すること。

    • (5)業務改善計画の実施終了までの間、計画の進捗・実施及び改善状況をとりまとめ、改善計画提出後3ヶ月毎に報告すること。

【連絡・問合せ先】

電話(代表)3506-6000
金融庁監督局保険課(内線3375、3772)

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