こういうオートバイは嫌いではない。
この人は、ここまで行くと、バイク乗りと
いうよりも、旅行者だな。
冒険旅行者みたいな。
これまた、やる。
⇒ あおたび
私の中では微妙な振り分けではある。
私の場合は、どこかの目的地を定めて、そこ
を見に行くことが目的ではなく、そこに行く
までの行程やロードでの走りそのものに重点
を置いているからだ。
空間移動のためだけなら、なにもオートバイ
でなくともよい。
なぜバイクなのか。
そこなのよね。
なので、同じツーリングであっても、空間移動
者と走り人ではかなり実相の内実が異なってく
る。
オートバイで場所を移動して、目的地に行く事
そのものを目的とすることは、私は否定はしな
い。
ただ、私はそれをしないだけだ。
私の目的は、走ることにある。
だから、その行き着く先がA地点であろうと
B地点であろうと構わない。
走るために走るのが私の目的であり、移動手段
として二輪車を使っているのではないので、同
じようにオートバイに乗って長距離を走ってい
ても、実はその中身はかなり異なる。
どちらが偉いとか偉くないとかは無い。
私はそうである、というだけのことだ。
私は空間移動の手段としてはオートバイで長距
離を走らない。四輪車や列車や飛行機のほうが
便利だからだ。
実質的には1日で700km、800kmを私はバイク
で走るが、目的は移動手段としては乗っていな
い。
通勤ではミニバイクは使う。これは利便性が
高いからだ。これなどは移動手段だ。
だが、通勤バイクは配達バイクと同じであり、
通勤バイクを転がすのがライダーではない。
オートバイに乗るのは、乗ることそのもの、
走ることそのものが目的なので、身体を運
んでくれる空間移動の手段としては私は一切
オートバイには接していない。
オートバイは、オートバイでなければ決して味
わえないところを私は求めてオートバイに乗る。
オートバイでなくば実現しえない、他の乗り物
では絶対に存在しない部分を求めてオートバイ
に乗っている。
ただの移動ならば、寝られるし、物も飲み食い
できるし、音楽も聴けるし、四輪車のほうが
便利なのである。わざわざ二輪車で移動する必
要はない。
海に行くのが目的ではなく、このロードを行く
と海がある。
というのを私は求めている。
そして極言すれば、そこに海が無くてもいい。
ロードさえあれば。