ラーメンツーリング。
通称「ラーツー」。
バイク乗りはラーメンとカレーが何故
だか好きだ。
たかが一杯のラーメンのためにひた走る。
これは横浜ケンタウロスが昔やっていた
600マイルブランドも同種だ。
元々は、ミシュランが「ミシュランタイヤ
をすり減らしてでも行くだけの価値がある
飲食店や宿泊施設」を紹介するガイドブッ
クを作ったことにはじまるといえるだろ
う。
今やミシュランガイドは、その本来の遠距
離旅食の意味を失い、さも星が付けばそれ
が権威のお墨付きであるかのように勘違い
している店舗や評論家や利用者だらけに
なってしまった。
原初の意義は、ミシュランガイドもこの
東本作品や御厨/オサム作品にあるよう
なラーツーや珈琲走りにこそある。
ラーツーでの聖地となったニューハルピン
は、東本三つ星として作品内で物語として
紹介されて、その名がバイク乗りに全国的
に知られるようになった。
新潟の友人に言わせると、元々、地元で
地域に根付いた気取らぬ人気のお店だっ
たようだ。
私はまだ未食だが、タイヤをすり減らして
遠距離を走ってでも、それだけの価値の
あるラーメンなのだろう。
私が医者からドクターストップがかかる
程ラーメンを食べていた頃、世界一と感じ
ていたのは新橋SL裏に毎夜出してる軽自
動車屋台のおばちゃんのラーメンだ。
酔客から「おばちゃーん」と呼ばれたら
「誰がおばちゃんなんだ!」とマジ切れ
していたけど(笑)。
あれは、飲みの締めで食うラーメンなど
ではなかった。本当に美味かった。
まだ、国内にラーメンブームなるものが
到来する前のことだ。
五日市街道の新高円寺駅そばにも美味い
ラーメン屋があった。
職場の職員の女性にそこを教えたら、同僚
女性二人で行ってみたらしい。
すると一人は食べながら「うめ〜!こんな
うまいラーメン今まで食べたことない!」
と何度も言っていたらしい。
「感激し過ぎで面白かったよ」と私が紹介
した子は言っていた。
ウマいラーメンてのは、いいよな。
大元は中華物だが、日本のラーメンは
日本で生まれた。
それでも、あのドンブリの龍紋と双喜文を
見るとなんだか元気が出る。
喜の文字は吉+古で略されているけれど。
食べた後もハッピーのダブルハッピーだ。
テケテケテンテン、テンテンテン、ジャ〜
ン!と心の中でドラが鳴る。
東本作品にたびたび出てくる直江津の
ニューハルピンの店長は、岡山県のバイ
カーズカフェZ-YARDのマスターによく
似ている(笑)。
あくまで、作品の中では。