渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

MCの看板を背負うという事

2019年05月08日 | 公開情報


MC第8コマンドにはヤキトリ載りのヤッキーは
一人もいない。
今回のMC走りでヤキトリかましてるのがいた
ら、スーッと横に行ってフロントタイヤ蹴って
すっ転ばしてやろうと思ってた。いや、マジで。
広島弁で言うなら「緩めんど、おっどりゃあ」
てなとこね。(標準語だと「許しませんことよ、
貴方」の意)
MCは傷を舐め合うぬるい仲良しクラブや大学の
お遊びサークルや主婦のカルチャークラブや
お仲間ツーリングクラブじゃないんだよね。
看板しょって走るということは、それらとは全く
別物。一挙手一投足、生と死とを常に意識して
ピリッと「走る」ことをしないと意味が無い。
また、その本気の真剣さの中にこそ、たわけた
態度ではない健全な二輪乗りの微笑みが生まれ
る。移動手段として二輪を流用利用している訳
ではないからだ。

幸いにしてというか、当たり前のこととしてと
いうか、誰一人、ヤキトリ載りはハチコマには
いなかった。
初心者もベテランも関係ない。
焼き鳥ヤッキーなどやっていたら、ワンパン
確定だ。

そりゃ、経験値や技量の差によって、走行技能に
差は各人で存在する。
しかし、そうしたことが問題なのではない。
己の走りをきちんと集団走行の中で全うしている
のかどうか、なのである。
全開とは、一般的に一元化した数値での全開では
ない。各人の技量の中でフルスロットルをくれる
走りをしているかどうかなのだ。
また、このフルスロットルとは、アクセルの開度
のことではない。
真剣に自分の走りを完成に向けて邁進しているか
どうかなのである。

一人、今回の走行動画を見て「俺、へたくそ〜」
と言っているのがいた。
いや、客観的に言うと凄く乗れている。上手い。
だが、奴の中では、自分に設定したハードルが
もっと高いものだったのだろう。
その精神性が、奴はMCの看板持ちそのものだ。

走って、走り終えて、何も得るものも、向上も
無ければ、これまたMCで走る意味がない。
MCはお楽しみレジャークラブではないからだ。
そういうのが欲しい奴は、そういうとこに行け
ばよい。MCはMCであってほんわかおたっしゃ
クラブではない。
MCはMCであり、フルパッチを背負うにはそれ
なりの意味がある。
これは、何もうちらだけのことではない。全世界
のMCはそうしたピリッとしたものを常に持って
生きている。

そして、そういう根幹と、「乗れてる、乗れて
ない」はこれまた別物だ。
今回のファーストミーティングで一番乗れてたの
は限定解除者なのに250モタードを走らせてた
パイロットライダーだったと思う。
モタードで行く行く。ガンガン行く。
しかも、ビシッと安定して。
さすが、中学の時からコースで乗っていただけ
ある。確か、俺と同じくヤマハミニトレで練習
したのではなかったか。
俺の場合は、その後、カワサキのMS90で河川敷
コースをこれでもかという程に走って操縦を覚え
た。気づくと、16才で普通にサンパチやヨンフ
ォアでアスファルトでアクセルターンやウイリー
できるようになっていたし、二人乗りで走行中に
前と後ろで運転交代するようなことも普通にやっ
ていた。
要するに「制御」についての取り組みがあった。
マシンをコントロールすることについて、真剣に
オートバイと真正面から向き合っていた。
モーターサイクルは人が載せられる物ではない。
人間が乗って、そして意のまに制御操縦する乗り
物だ。載り物ではないのである。
まず、人ありき。
人がどうあるかでマシンとの繋がりの主軸が構成
されてくるのである。
私は13才でその大道を知った。
剣道よりもバスケよりも、モーターサイクルが
もたらす人への教えこそが楽しくて嬉しくてしか
たなかった。寝ても覚めても、二輪車のことばか
り考えていた。
16才になった私の愛車には、タグ打ちした手製
ステッカーで、
The first is the machine, the second is you.
と記した座右の銘を貼っていた。
人としての精神的な自立の覚醒は、モーターサイ
クルが私にもたらせてくれたのだった。

操縦自体は、オフロードでの鍛錬と、あとトラ
イアル車での練習がとても二輪車の操縦には役
に立った。
高校時代、荒川河川敷、多摩川河川敷は、格好
の練習場所だった。
トライアル競技者のように崖は登れないけどね、
俺は。

アスファルトのロードを走る時のみならず、
モーターサイクルを走らせるためには、腕突っ
張りで背筋伸ばし上体硬直で顎出しのヤキトリ
載りは絶対にダメである。
そんな載り方は、二輪車の運転方法とは縁もゆか
りもない乗車方法だからだ。
二輪車の運転と縁のないことをやっている奴とは
こちとらも縁がない。
そのような載り方をしているのがMC内にいたら、
蹴りをくれて走行を強制停止させるのは当然の
ことだ。

だが、MCハチコマにはヤキトリは一人もいない。
これ、当たり前のこと。
特別なことではない。
今回、信州に行かれなかったMCメンバーも多い
が、ヤッキーかましてたら、俺にフロントを蹴ら
れると思っていたほうがいい。
フロントを蹴られたら100%転倒する。
ま、いねえけどな。そんな変な載り方するのは。
普通は。

俺は、走る奴に敬意を抱く。
走らない、走れない、走ろうとしない奴の言う事
は一切信用しない。

てなことをウイスキーボトル半分空けた頃に書い
てるんだけど、ヨッパーの戯言ではないんだよ。
ま、飲んだら乗らないし、刀も抜かない。
でも本音は出てくる。
それが二輪への真剣さの真実。
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