私の車両はハンドルはノーマル標準だ。
いじっているのは吸排気だけで、社外マフラー
も法規制数値内に収まっている。全て適法合法
車両だ。
メーカー標準でトップブリッヂ下のフロント
フォークにダイレクトにクリップオンされた
セパレートハンドルが装着されている。
自己カスタムでハンドルを交換する時には、車検
がある250cc以上の車両では法規制を知ってお
かないとならない。
ハンドル交換の場合は、上下高さで車検証記載の
高さのプラスマイナス4センチ以内でないとなら
ない。これはレバーまで含めて。
ハンドル幅の変更は左右合計でプラスマイナス2
センチ以内。
つまり、ノーマルよりすこしでも低いハンドル
にしたり高いアップハンドルに変更したら、車検
は通らない。
ポジションを自分に合わせてカスタマイズした
車両を合法的に乗るには「構造変更申請」という
方法がある。業界用語で「構変」。
所定の書式に所用事項を書き込んで申請するの
であるが、その際には新規車検となるので、申請
受理まで継続していた車検の税金有効期限など
はすべて消滅する。
お金はかかるが、ハンドル改造車両を合法的に
乗ろうとしたら構造変更申請が必要となる。
やらなければ、「違法改造車両」として処罰の
対象となる。故障車扱いだ。運行はできない。
走らせたら違法となる。
昔の耕運機ハンドルをクリップオンにしている
人たちを狙い撃ちで警察が取り締まった「刀狩
り」の時はどうしていたんでしょうね。
逆輸入車の1100カタナしかクリップオンセパハ
ンは無かったので、たぶん国内750には構造変更
を認可させない措置だったのでは。
なんたって、国内販売は750cc未満が最大型だ
ったのだから。
700クラスなんて、今や「ミドルクラス」とさ
れている。
時代はかなり変わったもんだ。
もしかすると、「ナナハン」という言葉の持つ
ニュアンスなどは今の人は知らないかもしれな
い。
あるいは、ナナハンという言葉自体を知らない
か。
かつて、ナナハンとは国産最大排気量のことを
表した。
だから、限定解除免許(今の大型二輪免許)のこと
を「ナナハン免許」と俗称していた。
ナナハンとはロクハンやサンパンやニーハンと
いう排気量区分けの呼び方とは異なる特別な意味
を持っていたのである。
ナナハンライダーとは、無制限の排気量のバイク
に乗ることができるライダーのことを指したのだ
った。
免許取得は現在の簡単な大型二輪免許とは比較に
ならないほど難しい。
教習所制度は無く、すべて試験場での一発試験
のみで行なわれた。
受験回数10回10数回当たり前、という世界だっ
た。「落とすための試験」だから。
白ジェットヘル、黒革グローブ、黒ブーツでな
いとまず最初から減点。そういう試験だった。
返事が悪い、それも減点。そういう試験。
決められたことを杓子定規にその通りにやるこ
とが出来ない人は全部パッパと減点して全員落
とした。
暴走族対策のために1975年10月から導入され
た新免許制度のため、中身はそういうものだっ
た。
警察官の朝礼のようなことができない者は即
退場というようなものだった。
乗り方も然り。
決められた操作で決められた通りに運行させる。
非合理などは関係ない。こう決めたのだから
それに従え式が限定解除試験だった。
だから、免許を持っているからと、二輪車の運転
が上手いのではない。
法規と試験制度に合致した運行ができるかどうか
なのである。
しかし、限定解除時代の大型二輪乗りたちは明ら
かに今の大型免許取得者たちよりも上手い。
何故か。
それは、「どうやったら合格するか」という事を
常に考え、それに挑戦し続けて来た人たちだから
だ。今の大型免許取得者とは研究心と探究心に
雲泥の差がある。
そして、免許を取得しても限定解除者たちは、
免許を取るまでがそうであったように、今度は
「走り」について考察を始める。
中にはそこで成長が止まり、非現実的な試験乗り
のまま公道を走行している危険運転者もいるの
であるが、大半は現実的な安全運転と実践的な
走法を掴んで行く。
そのため、限定解除者にはほとんどヤキトリが
いない。新大型免許取得者は、中型からそのまま
大型免許教習を受けるので、素人のままで大型
免許を得ることになる。
走りや操作操縦についても深く考察しようとは
しない。ずっと初心者で素人のままだ。
なので、現代ではヤキトリ大氾濫状態となって
いるのだ。
さらに安全普及協会や教習所が大嘘の危険な上体
硬直乗りを指導する。
また、受講者たちは真実を見抜いて、割り切って
それを受講して試験をクリアするのではなく、
その大嘘危険乗りが真実と思い込んで、免許取得
後にも、なんら自分を振り返ろうとはしない。
結果として、国内ヤキトリ大氾濫!となっている
のが2019年時点での国内情勢だ。
そして、ヤキトリたちは、セパハンの車両を
運転出来ない。
適性フォームが取れないからだ。
基本中の基本を無視し続けてきたから、低い
スポーツハンドルだと、全部が全部、全員が
「きつい」「腰が痛い」「疲れる」等々のわけ
わからんことを言い始める。
さも、それが正しい事であるかのように。
すべての原因は、「自分が不適切なことをして
いるので乗れていない」という真実を見ようとは
せずに。
背もたれシート付きの車両にでも乗っていたら
どうだろう、と思う。
あるいは、疲れるから二輪車などには乗らない、
とか。
そっちのほうがいいと思う。
適性適切な乗車をしないつもりなら。
危ないから。