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【政治】<新型コロナ>緊急事態、首相が宣言 7都府県、5月6日まで
安倍晋三首相は七日、新型コロナウイルスの急速なまん延を踏まえ、改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言を初めて発令した。期間は五月六日までの一カ月間で、対象区域は東京など七都府県。政府は、商業施設の使用停止指示など一定の私権制限を伴う宣言を決断したが、首相は記者会見で、公共交通機関や道路の通行に影響はないとして「都市封鎖(ロックダウン)は全くない」と国民に冷静な行動を呼び掛けた。首相は七日夜のNHK番組で、緊急事態宣言後も感染拡大が続いた場合は、国や地方自治体の権限を強化する法整備の可能性に言及した。 (妹尾聡太) 商業施設などへの休業要請について東京都は十一日からの実施を目指す方針。神奈川、埼玉両県は現時点では消極的で、千葉県は今後の推移を見るとする。 首相は七日午後、官邸で開いた対策本部会合で「国民生活および国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある事態が発生したと判断し、緊急事態宣言を発出する」と表明。その上で「人と人との接触機会を最低七割、極力八割削減できれば、二週間後には感染者の増加を減少に転じさせることができる」と訴えた。 その後の記者会見で、緊急事態宣言の下でも「電車やバスなどの公共交通機関は運行される」と強調。都市が封鎖された海外では、混乱を招き感染を拡大させた例もあると説明した上で、日本では都市封鎖は行えないと話した。 首相はナイトクラブやカラオケなどへの出入りのほか、家族以外の多人数で会食をしないよう求めた。仕事は自宅で行い、出勤者を七割減らすよう要請。地方には重症化するリスクの高い高齢者が多いとして、地方への移動も厳に控えるよう訴えた。 緊急事態宣言の対象となった各都府県では、知事の要請や指示により、学校や商業施設の使用が制限され、住民は不要な外出の自粛を求められるが、これらに従わなくても罰則はない。一方、知事は臨時の医療施設を開くために土地・建物を使用することなども可能で、こちらは応じない場合の罰則がある。 首相はNHK番組で、現行法で感染拡大防止に全力を挙げる方針を強調。その上で、緊急事態宣言に関して「不十分となれば、新たな法制も当然視野に入れなければならない」と新たな法整備の可能性に触れた。 緊急事態宣言は、二〇一二年の民主党政権下で成立した改正前の旧特措法で発令が可能となった。安倍政権は東京都などでの感染拡大を受け、発令要件である(1)国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れ(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れ-の二つをいずれも満たすと判断し、宣言に踏み切った。 PR情報
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