診療精度を高めつつ
患者様の待ち時間削減に成功

日本病院総合診療医学会 理事長
原土井病院

 九州総合診療センター長

原 純 先生

『人を大切にする』という理事長の利他的な精神により、Ubieの導入を決めた原土井病院は、診療の精度を高めつつ患者様の待ち時間を削減することに成功しました。提供する医療の質を高めるために必要な業務の合理化とチームワークについて、原土井病院に九州総合診療センター長として勤務している林 純先生(日本病院総合診療学会 理事長)にお話を伺いました。

導入の背景:診療のセカンドオピニオン、可能性の見落としを防ぐためのAI活用

もともと私自身AIなどのテクノロジーに疎かったのですが、家電から自動車にまでAIの利活用が注目されている中で、AIで業務の効率化を促進し、医療者が本来やるべきことに集中できる環境を構築するべきだと考えUbie社製品を導入しました。

上記以外にも、実際にUbieを導入することで、総合診療のセカンドオピニオンとしてUbieを利用することができています。もちろん医師も書籍などで日々知識を蓄えていますが、やはり自らの経験に基づいた診療をしてしまうため、診療経験のある病気が原因だと思い込んでしまいがちです。しかしUbieの病名辞書を利用すると、様々な病名が提示されるため可能性を想起することができます。あくまで医師が最終的な判断を下すことに変わりはありませんが、医師の診断エラーを防ぐことができると考えております。

AIで業務効率化できる点は効率化を促進し、医療者が本来やるべきことに集中する環境を構築するべきだと考えUbie社製品を導入しました。Ubieの提案の精度は大変優れており、医師の学習にも役立つと考えております。先日、私自身インフルエンザに罹ってしまったのですが、熱はありませんでした。好奇心から自らUbieにて診断を行なったところ、身体がだるいなどの症状からインフルエンザの可能性を提示されました。改めてAIの凄さを再確認した体験でした。

医師、看護スタッフ、患者様三者間におけるUbie導入のメリット

Ubieを導入したことのメリットは様々ありましたが医師の診療のサポートという点では、先ほどお話しした診療時の診断エラーが防げているという点にメリットを感じています。看護師を含めたスタッフのメリットとしては電子カルテなどの病歴を取ることがかなり楽になったという声を聞いています。看護師が聞いていた内容と、医師が同じことを繰り返し聞いてしまい、問診が重複することがなくなるため、紙の問診票と比較して予約がない患者様の初診における待ち時間軽減が一人あたり5分程度削減できています。

あまり大きな改善ではないかもしれませんが、患者様にとっては待ち時間が短縮できるというのはやはり大きなメリットではないかと考えています。現在はスタッフのUbieを利用する際の習熟度も高まってきておりますので、患者様が増えてどうしても診療時間が1~2時間を超えてしまうインフルエンザのシーズンでも、さらなる効率化と時間の削減が期待できると思っています。質問項目が若干多いという声も聞かれますが、より適切な医療サービスを提供するためには必要だと感じています。

挑戦ができる土台を作る、博愛と利他的な精神

当院では博愛主義を掲げ、昔から設備や人材への投資を積極的に行っております。いかに患者様に質の高い医療を提供できるかを第一に考え、そのために必要であれば医療器具などのハード面はもちろんのこと、黒字の時は職員への賞与などのソフト面にも反映するような仕組みづくりを行っております。そのような文化があったからこそ、全体で病院の健全化について考えるようになっており、Ubie社製品の導入も特に大きな反対などなく進みました。こうした文化は理事長である原の人間性が大きく影響していると感じます。

我が病院の原寛理事長は自らが病に罹っている中でも、他者を気遣うような人間性の持ち主です。15年ほど前ですが院内でレジオネラという細菌感染症の感染が認められたことがありました。ともすれば病院の信頼が揺らぐ事態でしたが、理事長は他の病院で同じことが起こらないようにと、学会発表を行うことにしました。そういった理事長の人柄や博愛の精神に感銘を受けたり恩義を感じているスタッフが集まっているという背景があるため、患者様や社会のためになることであればスタッフ全員が主体性を発揮して動くことができる文化が当院にはあります。

こうした文化を表す良い例として、当院では複数の委員会があり様々な業種のスタッフが横の繋がりを持っています。例えばHQM委員会というものがあります。HQM委員会は各部署から、年に2回ほど部内で行なっている研究を発表し、参加者が評価を行うという委員会です。そこでは薬剤師が英語の論文を発表するなどスタッフが自発的に参加しています。

さらに医療レベルを高めるために必要なものは合理化とチームワーク

利他的な挑戦ができる環境ではあるものの、やはりまだまだ業務の効率化は必要です。当院では医師が少ない時代があったということもあり、看護師個々の能力が大変高いです。また、今までは医師によって電子カルテに残される情報に差がありましたが、今ではUbieのおかげで共有する情報の精度もあがり、看護師自身が次の判断を出来るようになっております。一人一人の責任感も大変強いため看護師と医師には強い信頼関係があります。とはいえ、看護師に頼るばかりではなく働きやすい環境を提供するためにも『合理化』としての業務効率化を追求していかねばと考えています。

看護師の人手が足りていない中でも業務の中ではまだまだ非合理的なものがたくさんありますので、合理的な体制などを整えていかなければなりません。当然、看護師以外の職種の中にも非合理的な業務はあります。医師の業務効率化のためにはメディカルクラークなどを活用し、業務の合理化をすることで、より患者様と向き合い医療レベルを上げることができるのではないかと思っております。

一方で、合理化ばかりを追い求めることにもリスクはあると思います。スタッフ同士のコミュニケーションを合理化し過ぎてしまうと、情報共有自体はできるかもしれませんが、情報の背景には個人の想いが多く含まれており、文面情報では出てこないものもあります。医療という責任の重い現場において最終確認などは対面で行うなど、合理化とチームワークのバランスを取りながらよりより医療を提供できる仕組みを作っていきたいと思っています。

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