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フィリピン航空はつい先日、新型コロナによる影響で300人のレイオフを発表しました。そして、一昨日2019年度の業績について大幅な赤字となる報告がありました。フィリピンのナショナルフラッグであるフィリピン航空に一体なにが起こったのか。今日はそのことについて。
2018年12月期 2017年12月期 ※単位:千ペソ
Gross Revenue(売上) 150,439,069 129,509,253
Gross Expense(経費) 155,680,463 132,151,076
Income/(Loss) Before Tax -7,429,779 -6,464,228
※(税引き後損益)
フィリピン航空の財務を見たのは初めてですが、非常に厳しいですね。ずっと大赤字を続けているようで、資本の部分も債務超過すれすれに状況だったようです。これが、2019年12月期にどうなるかというと、
10.9B(ビリオン)の赤字。(100億円超)
2019年度は確かに赤字幅が拡大していますが、そもそも赤字体質な会社なのです。ここで疑問になってくるのが、フィリピンの航空会社のすべてがうまくいっていないのか、ということです。次にフィリピンのもう一つの航空会社であるセブパシフィックの業績を確認してみます。
2018年12月期 2017年12月期 ※単位:千ペソ
Gross Revenue(売上) 74,114,000 68,029,000
Gross Expense(経費) 67,064,000 57,895,000
Income/(Loss) Before Tax 5,485,000 9,036,000
※税引き前損益
売上規模はフィリピン航空の半分くらいですが、こちらは毎年きっちり利益を出しています。今回の比較をしてみて個人的にビックリしたのですが、
セブパシフィックは優良企業
フィリピン航空は赤字会社
というくくりで間違いないと思います。セブパシフィックは自己資本もかなり充実していますので、今回の新型コロナの影響を受けても、経営難になる可能性は少ないと考えられますが、
フィリピン航空はやばいです。
フィリピン航空は国際線も非常に多いので、今回の新型コロナの影響をかなり大きく受けるであろうと予想します。昔JAL(日本航空)が破綻したように、フィリピン航空の破綻リスクは今回の新型コロナで、かなり高まったと考えていいでしょう。一方セブパシフィックでさえ、その影響は甚大で2020年度については赤字へ転落する可能性もあると思われます。
世界の航空会社については、2020年度は多くの会社で赤字への転落。もともと財務体質のしっかりしていない、フィリピン航空のような会社も多いかと思われますので、2020-2021年にかけて航空会社の倒産も多くみられると予想します。
個人的には今回の調査で、フィリピン航空のマイレージプログラム「マブハイマイル」を継続することを断念しました。マイルを貯めても破綻してしまったら、すべて失効する可能性が高いです。そもそもフィリピン航空の体質というかサービスの質は極めて悪く、赤字企業としての自覚も足りない。いちユーザーとして、フィリピン航空は利用はせざるを得ませんが、マイルは同じスターフライヤーのANAマイルに加算するようにします。
あとは一幸舎がロビンソンモールで契約していてよい印象ということもありますが(セブパシフィックはロビンソングループ)、国内線ならセブパシフィックのほうがいいのかもしれません。フィリピン企業の財務内容をこれまで詳しく見てませんでしたが、今後少しづつリサーチしていこうと思います。
応援よろしくお願いします。
ZEN English代表者
藤木 秀行(HIDEYUKI FUJIKI) 大学卒業後8年の会社勤務を経て2001年11月30日に起業。起業10年目に海外進出を決意し、以降海外に拠点を拡大。シカゴ大学MBA。