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昨今、特に日本では新型コロナウィルスの拡大が続いているように思います。毎日いろんなニュースを見ていると、店舗や会社運営などで感染者が出た場合、会社名や店舗名(エリア)を公表している会社と、そうでない会社とバッサリ分かれている印象があります。
今日は万が一会社で感染者が出た場合、どうすべきなのか。そのことについて、実際の今回の事例、過去の企業の事例(不祥事)を交えて考察したいと思います。
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先日「スタジオ・アリス」という写真館を運営している会社の店舗で、従業員が感染したことが発表されました。東証1部上場企業であるこの会社は、速やかに公表したうえで店舗の消毒作業を実施、そして来週月曜日にも営業を再開することを公表しています。この例は非常によい例で、多くの会社がこの会社のような動きをすべきだと思われます。
日本はこうしたことの隠蔽文化が根付いていますが、特に国際社会では悪いことを隠すことは評価されません。隠す→状況が悪化→隠したことがばれる、というのは会社としては最悪の結果です。
例えば公表しないという決断をした場合、消毒作業をどうするのか。あるいは公表しないで消毒作業をすることで、顧客の不信感をあおる形になります。
公表→消毒作業(数日間)→営業再開
こちらが一連の作業になりますが、先のスタジオアリスの事例だと5日間休業したうえで業務を再開しています。数日から1週間が営業再開の目安ではないでしょうか。消毒の間に、濃厚接触者の隔離・検査なども必要になってくるので、すべてが整った前提での営業再開となることは言うまでもありません。
まだ記憶がある人も多いですが、2014年12月にカップ麺のペヤングソースやきそばから、ゴキブリが見つかったことが大きな不祥事となりました。実際にはユーザーがツイッターでその画像を投稿→会社側がそのユーザーに画像削除に動き→そのことがネットで拡散し、最終的にその時期に作成した5万個強を自主回収に踏み切るという事件です。
一番注目したいのは、最初その画像がツイッターに公開してから、自主回収に踏み切るまでなんと半年もの期間を要してしまったことです。もっと早く動いていればこんな大きな事件にならなかったはずです。この事件の大きなポイントは、もし本当にゴキブリが混入していたら、それは企業の大きな責任であるということです。企業としての責任も大きいがゆえに、隠蔽しようとしてしまったのかもしれません。
こちらも同じような時期ですが、2014年にベネッセの従業員が進研ゼミなどの顧客データを販売してしまった事件です。この事件は会社もある意味被害者だったのですが、外部から考えると従業員が犯罪を犯してしまった場合、企業は使用者責任というのを負わなければいけない。
それにも関わらず、最初の記者会見で「流出に関して補償は一切しない」と言ってしまったこと、それがゆえに後に補償するとした200億円でも少ないと反感を買ってしまったことです。結局当時のベネッセはこの事件で会員数は激減、補償金額どころではない大きな金額を失ってしまうことになります。
この事件については、ペヤングの時間と違い、企業側も被害者であったことが大きなポイントですが、一方使用者責任を十分に検討しなければいけないことも大きなポイントです。
二つの事例と今回の新型コロナの感染者が出たしまった場合の大きな違いですが、
感染者が出てしまったことでの企業側の責任は小さい
ということです。最初の感染者が出てしまうこと自体は、もうそれは事故にあってしまったようなもの。あるいは感染はそれくらい拡がっていて、多くの人が感染するのも時間の問題なのかもしれません。そういう状況の中、万が一感染者が出てしまった場合は隠すのではなく、しっかり公表したうえで、感染者が拡大しないような措置をとることが、今一番必要なことなのではないでしょうか。
公表しないで感染が拡大すると企業側の責任は極めて重い
シンガポール政府や台湾政府と比較して、日本政府の動きは後手後手になっている印象があります。こういうときだからこそ、先手先手の動きを取る必要があると思われます。
応援よろしくお願いします。
ZEN English代表者
藤木 秀行(HIDEYUKI FUJIKI) 大学卒業後8年の会社勤務を経て2001年11月30日に起業。起業10年目に海外進出を決意し、以降海外に拠点を拡大。シカゴ大学MBA。