スピン経済の歩き方:世界一規律正しい日本人が、「外出自粛」の呼びかけを無視するワケ (6/6)

» 2020年04月07日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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ウイルス報道のガイドライン

 そういう過去の実績を踏まえると、「緊急事態宣言報道」にも注意をしたほうがいい。「ご覧ください! 緊急事態宣言下なのに、若者があんなにたくさん出歩いています!」とか「物資の買い占めで、ものすごい行列ができています! どこまで並んでいるんでしょうか!」なんて大ハシャギして、パニックをあおる恐れがあるのだ。

 これがタチの悪いところは、やっているご本人たちには「起きていることを伝えることが我々の使命だ!」なんて感じで正義感に浸れるので、自分たちの偏った視点になかなか気付くことができず軌道修正ができないことだ。

 自殺報道もガイドラインができたことで、どうにか”お祭り騒ぎ”にブレーキがかかっている現実がある。これ以上、社会に混乱を招かないように、ウイルス報道のガイドラインを早急に整備する必要があるのでないか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。

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