STILE LATINO スミズーラ | ELEMENTS OF STYLE
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2019-03-15 06:05:21

STILE LATINO スミズーラ

テーマ:オーダー
 
昨年秋のトランクショーでオーダーしたSTILE LATINOのスミズーラがあがってきました。
 
 
お客様のオーダーは昨年の12月から年明け1月中くらいにほとんどあがってきているので、私のオーダーが確実に一番最後です。
 
 
毎回お客様のオーダーが全て終わった後にオーダーするので、出来上がりが遅くなるのは仕方ないですね。
 
 
お客様が最優先ですから当たり前です。
 
 
今回も日本で最後のオーダー会だった福岡店のオーダー会の後にギリギリ採寸してもらえたので、これが正真正銘日本で最後のオーダーでした。(笑)
 
 
 
 
デリバリーが遅くなるのはわかっていたので、今回は秋冬物ではなく、合い物として着られるソラーロの生地でオーダーしました。
 
 
ベースモデルは襟幅が少し広いVINCENZO。
 
 
一昨年からスミズーラはVINCENZOでオーダーしているので、このモデルも3着目です。
 
 
ジャケットは敢えて2パッチポケット
 
 
ヴィンチェンツォのおすすめも2パッチポケットだったので、私のイメージと同じでした。
 
 
パンツは2プリーツのサイドアジャスターのベルトレスにしました。
 
 
スポーティーな生地とディティールの上着に敢えてドレッシーなディティールのパンツを合わせるのが今回のオーダーのポイント。
 
 
ジャケットのステッチはナポリっぽくダブルステッチにしました。
 
 
 
 
 
 
素材感のあるジャケット生地に比べて綾織りのソラーロにダブルステッチを入れると結構目立ちます。
 
 
今回ジャケットはナポリっぽくしたかったので、”目立ってなんぼ” なんです。(笑)
 
 
ジャケットをここまでスポーティーなディティールにすると、老舗のテーラーであれば ”袖ボタンは一つにしろ” と言われるかもしれません。
 
 
今回は特に袖ボタンの数は指定しなかったのですが、4つボタンで仕上がってきました。
 
 
彼らのスタンダードであがってきたということですね。
 
 
因みに、昨年オーダーしたDALCUOREのコットンスーツの袖ボタンは1つで仕上がってきました。
 
 
 
 
他のサルトリアでオーダーした時もスポーティーなジャケットやスーツは袖ボタン一つをすすめられたので、これがクラシックなナポリスタイルであるのは間違いないようです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
裏地はヴィンチェンツォにおまかせしたので当然こうなりますね。(笑)

 

 

 
 
生地の表面のベージュにも裏面の赤にも合うプリントなので結果オーライでした。
 
 
スティレ ラティーノの裏地は半裏で面積も小さいので、個人的にスミズーラで仕立てる時はこれくらい遊びがあってもいいと思います。
 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンツは2アウトプリーツのサイドアジャスター。

 

 

 

 

 
 
 
 
最近はテーパードが強いシルエットに違和感を感じるのと、ふくらはぎ部分がホーズにひかかっりパンツのラインが綺麗にでないのが気になるので、裾幅は以前よりも0.5㎝太くして17.5㎝で仕上げました。


幅で0.5㎝ですが一周では1㎝大きくなり、連動して膝幅も太くなるので、パンツのラインは随分綺麗になります。
 
 
理想はこんな感じ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
パンツが脚のどこにも引っかからず真っ直ぐに落ちる。
 
 
このような綺麗なラインをだすのは、パンツのシルエットがある程度太くないと難しいのです。
 
 
O脚でふくらはぎの張っている人が多い日本人はなかなかこうはいかないのですが、膝幅と裾幅を少し太くするだけでふくらはぎに引っかかりにくくなるので、トレンドだからということだけでなく、シルエットを綺麗に見せることを考えても裾幅と膝幅を見直す時期に来ているように感じます。
 
 
 
 
 
 
 
 

 
上着がナポリでパンツが英国調。
 
 
”そんなのミスマッチ”と思う方もいると思いますが、ナポリのテーラーも昔は普通にサイドアジャスターのベルトレスのパンツを作っていました。
 
 
80年代以降はイタリアでベルトレスの流れが無かったのでオーダーする人が少なかっただけで、リクエストして作れないテーラーはおそらくないでしょう。(ハウススタイルと違うと言う理由で拒否されるケースはあると思います。)
 
 
事実、数年前にベルトレスのパンツを穿いた人がでてきたころは、いまのように既製品は無かったので、テーラーで仕立てたパンツを穿いていました。
 
 
いま日本で認知されている ”ナポリっぽい” というテイストは、90年代以降の”所謂クラシコイタリアブーム”の流れを引き継いでいるので、20数年くらいの短い期間のナポリのステレオスタイルがナポリテイストとして認知されていると言うのが実情だと思います。

 
なので、深堀すれば現在認知されているステレオタイプのナポリとは違うナポリテイストがもっとあるのも事実です。
 
 
既製服の場合はお客様の好き嫌いもあるので、あまりマニアックなものは難しくなるのは当然のことですが、オーダーの場合はあくまでも個人のテイストが反映されるべきものなので、もっと自由に柔軟に考えてオーダーするのが良いと言うのが私の考えです。
 
 
なので、今回のこのスーツは私が考える ”LA VECCHIA SARTORIA NAPOLETANA” (とても古いナポリのサルトリア風)というイメージでオーダーしました。
 

ヴィンチェンツォも賛同してくれたので間違いはないでしょう。
 
 
あとはコーディネートをどうするかですね。
 
 
スーツは古いナポリテイストですが、Vゾーンは少し違う方向に持っていこうかなと思っています。


今年は暖かくなるのが早いので、このスーツもそろそろ着れそうです。
 
 
もともとは1900年代初頭に熱帯地方の日差しを反射させるために開発された英国の生地が、その後イタリアで大人気となり、今ではソラーロのスーツはイタリア人の定番となって根づいている。
 
 
ソラーロのそんなストーリーにも惹かれる私です。






 
 
 
 
 
 
 
 
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