朝鮮日報

新型コロナで災害基金を使い果たした韓国自治体「どうか台風だけは来ませんように」

 西海岸沿いにあって風水害を数多く経験している忠清南道は、災害基金753億ウォン(約65億8200万円)を保有している。しかし韓国政府の緊急災害支援金の道負担分を差し引いたことで一挙に60%も消え、313億ウォン(約27億4000万円)しか残っていない。2015年の前例のない大干ばつの際に災害管理基金53億ウォン(約4億6000万円)を投入した記憶が生々しい忠清南道の公務員らは、不安になっている。

 一部の基礎自治団体では、基金が空っぽになってしまった。京畿道華城市は、独自財源で災害基本所得保障を市民1人当たり20万ウォン(約1万8000円)ずつ、83万人に分け与えるとしたが、これにより500億ウォンの災害管理基金は義務預置額50億ウォン(約4億3700万円)を残すのみとなった。華城市は「洪水や日照りなど予想外の天災地変は予備費で代替したい」という立場だ。

 ところが韓国政府では、こうした引き出しが可能なように法的根拠まで用意してやった。2日に公布された災害安全法施行令コロナ特例条項(75条の2)だ。コロナ問題で中小商工業者・脆弱階層のために災害管理基金を使うことができると明示し、どうしても必要な用途に供するため必ず別途預け置くべき法定預置金(総積立額の15%)まで使えるようにした。企画財政部(省に相当)予算浪費申告センターのヤン・ヒョンモ専門委員は「緊急の災難・災害に備えてためておいた基金を短期間で大挙投入する場合、財政健全性の悪化につながる」として「政府や自治体が、使い道や投入限度などをガイドラインとして定め、順守する必要がある」と語った。

蔚山=キム・ジュヨン記者
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