記者会見に臨むトランプ米大統領(3日、ワシントン)=AP
【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、外出時はマスクの着用を国民に推奨すると発表した。強制ではなく、自発的な着用を促す。健康な人には勧めてこなかったが、無症状の感染者が人にうつすリスクを減らすため方針転換した。マスクが一般的な日本などアジアに続き、米国でも着用が広がりそうだ。
米疾病対策センター(CDC)が新指針を公表し、食料品店や薬局など人と距離を取るのが難しい場所で「顔を覆う布をかぶることを勧める」とした。布マスクやスカーフ、バンダナなど安価で手作りも可能な布製品が念頭にある。医療用の高性能マスク「N95」は病院で必要なため一般市民は使わないよう求めた。
健康な人でもマスク着用を勧めるのは「無症状でも会話やせき、くしゃみを通して人にうつすことがあるとの研究結果が出てきたため」(CDC)だ。予防効果は乏しいとの見方が多く、人との距離を取るなど基本対策は続けるよう強調した。
マスクの着用には賛否あるが、各国の対策にも影響を及ぼしそうだ。健康な人のマスク使用を勧めてこなかった世界保健機関(WHO)も3日、感染拡大を抑える効果を認める姿勢を示した。
米国では日本のように日ごろからマスクを使う人は少ないが、新型コロナの感染が広がった3月以降は増えている。トランプ氏はホワイトハウスで開いた記者会見で「着けたい人が着ければいい」と述べ、自らはマスクを使わない意向を明らかにした。
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