新型コロナウイルス感染拡大を受け、病床不足解消の緊急策として、「船の科学館」など首都圏の2カ所に軽症患者向けベッド計1万床を目標に整備を行うことが3日、公益財団法人日本財団から発表された。

 感染者数が前日2日、新たに97人と最多を更新。感染が広がり、オーバーシュート(爆発的患者急増)以前の医療崩壊が懸念されている。感染拡大を阻止し、できる限りの協力をするべきと考え、同財団はパラアリーナ施設の提供を決めた。

 施設はパラアスリートの練習環境整備を目的に、パラスポーツ専用体育館として「船の科学館」の敷地スペースに建設。東京2020パラリンピック競技の競技団体、その所属のクラブチームおよび個人を対象に2018年6月1日より運営を開始し、これまで稼働日率ほぼ100%で活用されてきた。パラアリーナを一時的に閉館することで、パラスポーツの日常的な練習のために使用していたアスリートには影響が出ることになる。

 公益財団法人日本財団パラリンピックサポートセンターの山脇康会長は「世界各地ですでに起こっていることは、スポーツの域を遙かに越えた人類の危機であり、新型コロナ感染拡大を阻止し、人々の命を守ることにあらゆる手をつくすことが最優先であると思います。アスリートの皆さま、関係者の皆さま、またパラリンピック、パラスポーツを応援いただいているファンの皆さまとともに、この困難な時期を乗り越え、健康で安心安全な社会を取り戻すことに全力で取り組んでまいります」とコメントした。