◇第69回西日本学生選手権大会・体操競技の部◇6月1日◇スカイホール豊田◇
[女子個人]
永田晶子(政策4) 42.700
梅影あかり(安全3) 21.100
[男子個人]
山本大空(シス理2) 66.900
西尾仁(安全3) 65.950
大会初日のこの日は、男子個人と女子個人の競技が行われた。
女子個人には、昨年全日本インカレにも出場した、ラストイヤーの永田と、大学始めながら全ての種目で挑戦を続ける梅影がエントリー。永田は全国2年連続出場、梅影は自己最高演技の披露を目標に大会へ臨んだ。
全国出場がかなわなかったら今大会で引退。昨年よりも重くのしかかる重圧で、「本当に全種目全部不安」と、試合前の永田は珍しく緊張していた。だが、経験値が差を見せる。1種目目の段違い平行棒でミスをせず、完璧な着地をピタリと決めた。続く平均台でも、バランスを崩して危ないシーンを何とか耐え、落下はせずに10点台をマーク。ゆかでも安定感を見せた。最終種目の跳馬では、本日出場した女子選手の中で最も高得点の13.200をたたき出す。関大女子エースの勝負強さがあらわとなる試合内容となった。
3年生の梅影は部員不足の中、いつも永田と2人で種目を回ってきた。今大会は永田と共に回る最後の試合。演技の節々に一段と強い思いが表れた。段違い平行棒では反省をにじませるも、ゆかでは技を1つ増やし、「自分の中では一番良かった」と振り返る。今までの自分を超え、永田と精神面で支え合った。
男子個人には、山本と西尾が出場。演技はあん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒、ゆかの順で行われた。山本は、最初のあん馬でバランスを崩して落下。良いスタートとはならなかったが、「そこからうまく切り替えることができた」。続くつり輪では次々に技を決め、しっかりと着地する。その後も順調に演技を進め、目標である70点台に迫る66.900をマークした。
西尾は、前大会で負ったけがが完治しておらず、万全とは言えない状態で臨んだ。あん馬でミスは出てしまったものの、つり輪では好演技を見せる。しかし、中盤から足を引きずる場面が目立ち始める。「痛くて不安はあったんですけど」。そう話しながらも、足に負担のかかる跳馬やゆかでは安定した演技を見せた。
個人それぞれで手ごたえを感じた関大。明日は男子団体の競技が行われる。出場する選手一人一人が自分の力を発揮し、全国への切符をつかみ取る。【文/写真:竹中杏有果・勝部真穂】
▼永田
「あんまりつめた練習をしてこれなかったので結構不安な部分があったが、ミスなく終われたので良かった。アップの時に失敗してしまったりアクシデントもいろいろあった。でも、試合は全部うまくいったから良かったかなと思う。本当に全種目全部不安で。ノーミスでできるか、前日の練習とかでも全然うまくいってなかったから不安だった。だから(今日)全部うまくいって、よくやったなと思う。(ラストイヤーだが)今回の西日本で全カレにいけるか、引退かが決まる、自分のなかで大きな試合だった。プレッシャーもあった。3年生の時全カレ行けたのに、4年生になっていけなかったらどうしようとか、西日本で終わってこのまま引退だったらどうしようとか。3年生の時は思わなかった気持ちが、4年生になると大きくて。気持ちの入れ方、思い入れが去年とは違うかなと思う。(試合前の緊張は)ありましたね。(普段は)あんまり緊張しないタイプなんですけど、引退か、次にあるのか、みたいな感じだったので、失敗できないなっていのがあった。緊張した。(試合を終えて)ほっとしたし、結果としていい結果がついてきて、全日本に行けたらなと思っている。(梅影さんは)ずっと一緒に練習してきているし、体操部の女子自体が、選手としてやっている子が、あかりちゃん(=梅影)と私とあと新入生2人しかいない。人数が少ない中で1人だったら、練習に身が入らないところも、あかりちゃんがいるからできる。1人で試合回るよりは、大学の仲間がいてやってくれる方がやっぱり力になる。気持ちの面ですごく助けてもらったかなと思う。(翌日の他校の結果も考慮されるので)全国に進めるかまだわからないが、もしいけてたとしたら、あと2か月ある。高校時代がピークで大学ではレベルを落としてしまったかもしれない。でも、最後の全日本は、体操人生の締めくくり。自分の悔いの残らない演技ができて、難度もピーク時くらいまでに上げていけたらいいかなと思う」
▼梅影
「入れたい技を入れれなかったりして悔しいところもあったが、ゆかで技を1つ増やせたのが今回とてもうれしかった。今日はゆかが自分の中では一番良かったと思う。(課題が残ったのは)段違い平行棒。去年できてた技が、今安定しなくて、試合当日もできなかったので、それを抜いて演技した。それがすごく悔しかったので、次の試合では絶対に成功できるように頑張ろうと思った。(西日本インカレに臨む心境は?)私は大学はじめなのもあって、全日本インカレを狙う立場ではないし、最初から狙っていない。自分のできることを精一杯して、ミスを減らして、ベスト尽くして、点数を伸ばすことを意識してやってきた。(体操を始めるまでは)陸上をやっていた。スポーツ自体はとても好き。(昨年までと比べて)点数的には今回が一番良かった。今までで。(永田さんの存在は)私の中で9割以上占めている。私のなかで。あきさん(=永田)がいなかったらどうしよう。っていうのがすごくあって。今回の試合であきさんと回れるの最後だったので…。だいぶメンタル来てます。あきさんは、私がすぐに落ち込んだりするので、めっちゃ励ましてくれたり、喝いれてくれたりしてくださっていつもすごく助けられていて。でも逆に私の方からは何もできてないなって思う。(次の大会からは最高学年として女子を引っ張っていくことになると思うが)しっかり自分の練習もしつつ、後輩の面倒も見れるような先輩になれるように、毎日練習を頑張っていきます」
▼山本
「結構いつも通りの結果が出せたかなって感じです。つり輪がうまく入って、そこから流れをつかめたかなって感じで。あん馬が一番不安で、そこでミスが出てしまって。でも、そこからうまく切り替えることができたかなと思います。先週、試合形式の練習をして課題が残ったので。全体的にミスが出てしまって。なので、ミスを出さないように、挽回できるようにと思っていました。鉄棒も、ゆかもまあまあ満足はしています。(今回見つけた課題は)あん馬を乗り切ることですね。今年から減点が大きく(響くように)なってきて、なので丁寧にやっていかないとなとは思っています。自分の中での目標は70点を出すことなんですけど、今回は66点台で、まだあと少し足りないんですけど。目標を達成できるように頑張りたいなと思います。今後は、やっぱりあん馬ですね。あとは減点を少なくして、減点をっ少なくしていきたいです」
▼西尾
「落ち着いていつも通りの演技ができたかなと思います。関西インカレの時に肉離れ(足)をしてしまって。それが治るか治らないかでやってきて、まだ治っていなくて。痛くて不安はあったんですけど、技(のレベル)を落としているので、気持ちよく演技はできたかなとは思います。(一番不安だった種目は)床とあん馬ですね。着地の面で。できるだけ痛くない着地ができるようにと心掛けました。いつも通りの演技ができたらいいなと思って、焦らずにリラックスしていこうと思っていました。(緊張は)今回は全然なかったですね。もともとDスコアが低いので、もっと上げていかないといけないなと思いました。(細かい減点をなくすために)できるだけ着地の姿勢とかを意識してやりました。とりあえず足を治して、関関戦、交流戦と続くんですけど、交流戦までに技を増やして試していけるようにしたいです」