昨日、京葉車両センター所属の
E331系
が長野へ廃車のために回送されました。
E331系は2006年に新製され、各種試験ののちに2007年3月に営業運転を開始しましたが、不具合が多発し、1か月で運用から外れ、メーカーへ返却し、修理や部品の改良などが行われていました。その後、2008年末に営業運転に復帰したものの、ほどなくして離脱し、それ以降しばらくは復帰と離脱を繰り返していました。結局、2011年の1月頃を最後に運用から外れ、京葉車両センター内で留置される日々を過ごしていました。そのうち廃車が決定し、昨日長野へ運ばれたようです。静粛性や乗り心地改善などを目指して登場した連接車ですが、結局故障多発で頓挫した形ですね・・・。
私とE331系の出会いは2009年1月が最初で最後となってしまいました。



E331系は
連接構造
を採用しているため、車体間に台車が配置されており、車体長さが先頭車が16.5m、中間車が13.4mと短くなっていることがポイントです。ただ、中間の7号車と8号車は編成分離出来るように連接構造でなく、通常構造となっています。そのため、7・8号車は中間車ながら16.5mとなっています。


車内は基本的にロングシートですが、先頭車のみセミクロスシートとなっています。クロスシート部分はロングシートへの変換可能な構造になっており、座席を回転することにより変換しています。そのため、変換装置が入っている関係で座席の位置がやや内方向にずれています。
E331系は連接構造だけでなく、ロングシートへ変換可能なセミクロスシートを装備しているということは将来の通勤車両への試験的な意味合いを持っていることが伺えます。

車内案内表示はLCDとなっています。新製当時はE231系500番台の投入が終わってから1年経過していたため、時代の流れからLCDを採用していたという形ですね・・・。内容はE231系500番台がベースでしたが、駅案内のところで編成表示について、先頭車や中間車で車両長が違うところをきちんと反映していました。後に登場したE233系5000番台のLCD表示はE331系とは多少異なったデザインとなりましたが・・・。


E331系は連接構造がゆえに編成も14両編成となり、扉の位置も従来車と異なっていました。そのため、駅での案内表示や乗降口表示も専用のものが用意されていました。


こちらは2006年3月20日から22日にかけて実施された
甲種輸送
です。E331系は1~7号車が東急車輛(現総合車両製作所)、8~14号車が川崎重工で製造されました。このうちの川重製造分の甲種輸送です。連接構造のE331系とあって注目を集めていました。

E331系のベースとなった
E993系
です。次世代の通勤型車両の在り方を研究・試験するために2002年に登場したもので、連接構造が採用されています。元々次世代に向けての研究模索であったため、連接構造だけでなく、さまざまな試験が行われ、一部はE233系などに反映されています。E331系登場してからほどなくして廃車解体されてしまいました。写真は2004年に開催された大宮工場一般公開でのシーンです。
連接構造は結局頓挫してしまいましたが、通勤型車両の在り方に一石を投じたことは事実です。海外では連接構造を採用している車両が多数いますが、日本は路面電車以外ごく僅かにとどまっているのは日本の風土によるものが大きいでしょうね・・・。
以上です。
E331系
が長野へ廃車のために回送されました。
E331系は2006年に新製され、各種試験ののちに2007年3月に営業運転を開始しましたが、不具合が多発し、1か月で運用から外れ、メーカーへ返却し、修理や部品の改良などが行われていました。その後、2008年末に営業運転に復帰したものの、ほどなくして離脱し、それ以降しばらくは復帰と離脱を繰り返していました。結局、2011年の1月頃を最後に運用から外れ、京葉車両センター内で留置される日々を過ごしていました。そのうち廃車が決定し、昨日長野へ運ばれたようです。静粛性や乗り心地改善などを目指して登場した連接車ですが、結局故障多発で頓挫した形ですね・・・。
私とE331系の出会いは2009年1月が最初で最後となってしまいました。
E331系は
連接構造
を採用しているため、車体間に台車が配置されており、車体長さが先頭車が16.5m、中間車が13.4mと短くなっていることがポイントです。ただ、中間の7号車と8号車は編成分離出来るように連接構造でなく、通常構造となっています。そのため、7・8号車は中間車ながら16.5mとなっています。
車内は基本的にロングシートですが、先頭車のみセミクロスシートとなっています。クロスシート部分はロングシートへの変換可能な構造になっており、座席を回転することにより変換しています。そのため、変換装置が入っている関係で座席の位置がやや内方向にずれています。
E331系は連接構造だけでなく、ロングシートへ変換可能なセミクロスシートを装備しているということは将来の通勤車両への試験的な意味合いを持っていることが伺えます。
車内案内表示はLCDとなっています。新製当時はE231系500番台の投入が終わってから1年経過していたため、時代の流れからLCDを採用していたという形ですね・・・。内容はE231系500番台がベースでしたが、駅案内のところで編成表示について、先頭車や中間車で車両長が違うところをきちんと反映していました。後に登場したE233系5000番台のLCD表示はE331系とは多少異なったデザインとなりましたが・・・。
E331系は連接構造がゆえに編成も14両編成となり、扉の位置も従来車と異なっていました。そのため、駅での案内表示や乗降口表示も専用のものが用意されていました。
こちらは2006年3月20日から22日にかけて実施された
甲種輸送
です。E331系は1~7号車が東急車輛(現総合車両製作所)、8~14号車が川崎重工で製造されました。このうちの川重製造分の甲種輸送です。連接構造のE331系とあって注目を集めていました。
E331系のベースとなった
E993系
です。次世代の通勤型車両の在り方を研究・試験するために2002年に登場したもので、連接構造が採用されています。元々次世代に向けての研究模索であったため、連接構造だけでなく、さまざまな試験が行われ、一部はE233系などに反映されています。E331系登場してからほどなくして廃車解体されてしまいました。写真は2004年に開催された大宮工場一般公開でのシーンです。
連接構造は結局頓挫してしまいましたが、通勤型車両の在り方に一石を投じたことは事実です。海外では連接構造を採用している車両が多数いますが、日本は路面電車以外ごく僅かにとどまっているのは日本の風土によるものが大きいでしょうね・・・。
以上です。
最新の画像[もっと見る]
試験車ならまだしも、営業用の電車でこれほど短命に終わったのは近年ではまれだと思います。
関西では阪堺電車で戦前生まれの電車が新車が出ている中で今も頑張ってたり、広島電鉄では原爆で大きな被害を受けた電車が今もラッシュ時限定ながらも活躍していたりする中でこんな短命で終わるとなると、心が痛みます…。
今後は短命で終わってしまうような駄作ができなければいいのですが…。
たあだ、独特の車輪音など、この車両でしか味わえないものをいろいろ体験できたのでいい機会になりました。
早期引退は残念ですが、この編成自体試験車両を営業用にしたてたような車両ですから仕方ないですね。
コメントありがとうございます。
E331系は量産先行車という位置づけで落成したのですが、いざ営業運転に投入したら故障が多発してしまったのだから、やむを得ないかと思います。確かにもったいないところもありますが・・・。
車両の運命って、どうしても周囲に左右されてしまうような気がします。阪堺のモ161形などはある意味恵まれているのは確かですね・・・。
コメントありがとうございます。
私はむしろ、珍しさに目を奪われたような気がします・・・(笑)でも、違和感を感じたことは確かです。
日本にとって連接車はまだなじめないとみてもよさそうですね・・・。
もったいないですね。
使われている部品も新しいものが多いですからなるべく多くの部品を再活用してほしいですね。
コメントありがとうございます。
確かにもったいないですが、故障が多いとやむを得ないですね・・・。再利用できるものは流用できるといいのですが・・・。
こちらもE331系には2回ほど乗車した事がありますが、鳴り物入りで登場した割には、大した出番もなくあっさりと終焉とは…
新機構を欲張り過ぎたのも仇になってしまったのかもしれませんが、それ以前の試験車段階で問題点などが解決されないまま見切り発車になってしまったのでは…とも感じます。
(場合によっては故障だけでなく事故にも繋がりますので…)
新機構だけでなく異例の連接車という使い勝手の悪さも、登場から僅か数年での退役に繋がる一因を作ってしまったのかもしれませんが、他車種と互換性のある部品を取り外し、予備品として確保した上で解体となるのか、またその場合にどの程度の部品がリサイクルされるのかも気になる所です。
JR東日本では近年203系が大量に海外輸出、そして205系もこれに続いて…という状況ですが、203系の中には客車代用として非電化区間で発電用エンジンを搭載してDL牽引の客車として活躍する車両も多数存在する事を踏まえると、E331系もこの様な使い方なら活用できたのでは…とも感じます。
さすがに故障頻発で特殊機構が多数存在となると、JRですら手に余る状況では、途上国で電車として使いこなすのはまず無理な話ですが…
コメントありがとうございます。
鳴り物入りで投入され、相次ぐ故障で短命で終わってしまった感じですね。
確かに今後はどうなるのか気になるところですね・・・。解体が有力っぽいですが、中には譲渡といううわさも出ていますしね・・・。
連接台車は関東では小田急電鉄がロマンスカーで採用していますね。一時期連接台車出じゃない車両が登場していましたが50000形(VSE)で復活採用となりました。
独特な音も特徴的ですが、揺れも殆ど無いので連接台車の技術はすばらしいと思います。
JRでは今回試験的な採用で実質2代(E991系とE331系)で実験しましたが、やはり「実績と技術」という点では
まだJRが営業運行に転用するのは早い・・とも言えるのでしょうね。
2代に渡って事実上の「失敗」となった訳ですから小田急に技術の面で勉強させてもらうのも一つの手かもしれないですね。
コメントありがとうございます。
こちらこそ、はじめまして。
小田急は連接車に関する技術を持っていますからね・・・。1957年にSEが登場したとき、海外の技術を参考に独自技術を編み出し、国鉄でもそれに倣おうとしていたほどですからね・・・。
JR東日本では2代にわたって実験していたのですが、3代目が出ていないあたりは故障だけでなく、情勢もあるんじゃないかな・・・と感じています。ひょっとしたら、もう諦めたのかな・・・とね。小田急から習うべき点はあるかもしれませんが・・・。