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【社会】

<新型コロナ>「教員もたない」悲鳴 授業遅れ、行事、感染対策… 来月6日まで都立高休校

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都立高校の臨時休校が五月六日まで延長された。「一年が十一カ月になったようなもの」「教員は体がいくつあっても足りない」。異例の形で迎えることになった新学期に、教育現場からは不安や戸惑いの声が上がった。

 休校延長を受け、各校は授業の遅れをどう取り戻すかだけでなく、校内や登下校中の感染防止対策や感染者が出た場合の対応、年間行事予定の組み直しなど、多くの課題に取り組むことになる。二十三区内のある都立高の男性副校長は「四月は入学、進級と教員の異動が重なる時期。校内は動揺しているが、一つ一つ手探りで解決していくしかない」と話す。

 都教育委員会が都立高向けに作成した指針では、ドアノブや手すりなど生徒がよく触れる場所は消毒液で一日一回以上清掃するとされている。この副校長は「その消毒液はどこから入手するのか。事態がここまで長引くことは想定しておらず、消毒液もマスクも残り少ない」と戸惑いを隠さない。

 都立広尾高校(渋谷区)の佐藤和彦校長は「修学旅行など多くの行事が中止になる見込みなので、夏休みの短縮などで一、二年生の遅れは取り戻せる」とみる。気掛かりなのは、三年生の受験対策が他県に比べ出遅れること。「生徒のケアも含め、急ピッチで対策を考えていく」と気を引き締めた。

◆休校か再開か 悩む自治体

 政府の専門家会議が感染状況に応じ学校の一斉休校も選択肢と提言してから一夜明けた二日、千葉県が学校再開を決めた一方、福岡市では休校の期間を延長するなど、各地で対応が分かれた。収拾のめどが立たない状況に担当者から「悩ましい」との声も聞かれた。

 福岡市教育委員会は「市内では感染者が増加傾向で予断を許さない」として市立小、中、高と特別支援学校を十七日まで臨時休校にすると決めた。高校は六日に、小、中と特別支援学校は七日に始業の予定だった。入学式と始業式も再開まで延期する。

 独自の緊急事態宣言が感染増加の抑制に一定の効果があったとされる北海道。道教委は「北海道は『感染拡大警戒地域』には当たらない」とみる。感染者の急増がなければ、近く学校再開に向けた通知を出す方針。

 新学期から通常通り学校を再開する予定の名古屋市教委の担当者は「(再開まで)とにかく時間がない。国からの通知を踏まえ、今すぐにでも対応を検討しなければならない」と慌ただしい様子。市内では経路不明の感染者が増えており、感染者の死亡は愛知県が最多。「東京や大阪の感染状況を考えると不安はある。子どもの安全を最優先に判断したい」としている。

 

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