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“花見疑惑”の安倍昭恵夫人 森友"財務省職員自殺”が報じられた夜、銀座でしていたこと

「態度を改めたほうがいい」と批判の声

 昭恵氏が“セレブライフ”を謳歌する間に、内閣支持率は急落していく。時事通信の世論調査(9日から12日)では、支持率は前月比9.4ポイント減という39.3%。不支持率(40.4%)を下回った。

「10%は下がると思っていたけどね。事実を説明していくしかないよ」

 この数字を聞いた安倍首相はそう強がっていたという。首相周辺が解説する。

「支持率が20%台に落ち込めば、外交交渉にも影響する“危険水域”だというのが、首相の持論。この程度なら、まだ大丈夫という自信の表れでしょう。週末は『筋肉を鍛えないと前頭葉が衰えてしまうから』と、ホテルのスパでトレーニングを重ねていました」

 ところが、その翌週に行われた日本テレビの世論調査で、内閣支持率は“危険水域”目前の30.3%にまで沈み込んでしまう。

「昨年の都議選後も20%台に突入しましたが、『姿勢さえ改めればいいんでしょ』と開き直っていた。この時は希望の党の小池百合子氏の“排除”発言で形勢が逆転し、衆院選に大勝しました。首相は強気を貫く理由を『一次政権の時は落ち込みすぎて失敗したから』と言いますが、今回の局面を同じように乗り切れるのか……」(同前)

 平静を装う首相に対し、財務省トップとして連日国会で追及され、苛立ちを隠せないのが、麻生氏だ。野党のヤジには「やかましいなぁ」とドスの効いた声で逆ギレ。与党内からも「態度を改めたほうがいい」と批判が上がっている。

「一時は佐川氏との“心中”に傾きましたが、『俺が辞めると内閣がガタガタになる』と踏みとどまりました。ただ、麻生氏が入れ込む仮想通貨問題が主要テーマだったG20も参加を見送ることになった。今の状況に不満を抱いているのは確かです」(麻生氏周辺)

麻生太郎財務相

安倍夫妻のとばっちり

 そもそも今回の森友問題は麻生氏からすれば、“安倍夫妻のとばっちり”に近い。麻生氏は以前からこう洩らしていたという。

「だいたい昭恵さんから始まったことだろ」

 実際、財務省の調査で明らかになったのは、昭恵氏が早い段階から、財務局と森友学園の交渉に関与していたという事実だった。

「改ざん前の決裁文書には、14年4月28日に、籠池泰典理事長(当時)が〈総理夫人から「いい土地ですから、前に進めてください」と言われました〉と話していたことが記されています。財務局との交渉はここから進展していくのです。6月2日、財務局は学園に『売り払いを前提とした貸付けについては協力させていただく』と回答しました。売却を前提にした貸付契約は極めて異例の提案です」(政治部デスク)

 昭恵氏は15年9月、開設予定だった小学校の名誉校長に就任。その直後、昭恵氏の指示で、夫人付職員の谷査恵子氏は財務省に問い合わせを行った。11月に、籠池氏が谷氏から受け取ったFAXには、財務省が〈28年度での予算措置を行う方向で調整中〉と記されていたのだった。

「このFAXの存在は、昨年3月23日の籠池氏の証人喚問で明らかになりました。慌てた菅義偉官房長官はこの日の会見で『要望を受けたのは谷さん』と強調し、責任を押し付けています。首相はそれまで水面下では『自分からは焦点が外れて、あっち(昭恵氏)が祭りだな。(籠池氏の)奥さんにはずいぶんメールしていたみたいだ』とタカをくくっていましたが、この頃から、事態の深刻さを認識し始めたようでした」(同前)

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