虚偽メール送り他人のドコモID悪用 詐欺容疑で中国人の男女5人逮捕
他人名義のNTTドコモの会員ID「dアカウント」を使ってゲーム機などを不正購入したとして、福岡県警などの合同捜査本部は1日、詐欺の疑いで、埼玉県戸田市、会社員の女(30)ら中国人男女5人(22~32歳)を逮捕したと発表した。県警によると、5人は携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)を悪用してIDやパスワードを盗み取り、現金をチャージしたプリペイドカードで不正購入したとみられる。こうした被害は、九州を中心に全国で昨年約480件、約3500万円確認されたという。
逮捕容疑は昨年4月1~3日、他人名義のdアカウントのプリペイドカードを使い、東京都内の家電量販店でゲーム機やタブレット端末など計11点(計約65万円)をだまし取った疑い。県警は認否を明らかにしていない。
県警によると、5人はドコモを装ったSMSで「異常ログインの可能性がある」「電話料金が高額になっている」などと虚偽メッセージを送信し、添付したURLから偽サイトに誘導、名義人にIDやパスワードを入力させて盗み取った。
盗んだIDなどを使って不正アクセスしたdアカウントからプリペイドカードに現金をチャージし、店舗で商品を購入。代金は名義人に携帯電話料金と一緒に請求される「キャリア決済」(電話料金合算払い)で支払われる仕組みという。
グループは「指示役」や買い物をする「買い子」「勧誘役」などに役割分担し、商品を転売して現金化していたとみられる。
県警は昨年4月、名義人からdアカウントの不正アクセスの相談を受けて捜査に着手。商品を購入した店舗の防犯カメラや押収品を精査して容疑者らを特定した。不正アクセス禁止法違反の疑いでも捜査を進める。(梅沢平)