No.084
2015.12.04
スポーツ
81年前のラグビー日本代表、幻のフィルム!
いま注目のスポーツといえば、なんと言ってもラグビー!
ワールドカップで“日本代表”が南アフリカに歴史的な勝利をおさめて以降、大人気に。
今回は、そのラグビー“日本代表”の81年前の映像が発掘されたというニュースです!
こちらがその映像です。スクラムを組む白と黒のユニホーム。モノクロなので色までは分かりませんが、よーく見ると、白のユニホームは“しましま”になっています。その“しましま”のチームこそが81年前の日本代表です!
映像が残されていたのはこちらのフィルム。先月、番組発掘プロジェクトに16ミリフィルムが届きました。
この貴重な映像の発掘が、11月23日放送の「ニュースウオッチ9」で取り上げられました!
河野キャスター「ラグビー日本代表の創成期を記録した81年前の貴重な映像が見つかりました。そこには今よりも更に小柄な日本人が大柄な外国人を相手に、ひたむきに戦う姿がありました。」
フィルムを提供してくださった笹山俊彦さんです。早稲田大学応援部のOBで、学生スポーツの古い映像や史料を集めるのが趣味だという笹山さん。
東京・神田の古本屋で手に入れたというフィルムを確認したところ…
「日本代表 対 オーストラリアの試合だということが分かって、これはもしかして、こないだやっていた日本代表の昔の人たちの貴重な映像なんじゃないかと思いました。」
番組発掘プロジェクトでデジタル化すると、そこには…
1934(昭和9)年2月11日、日本 対 オーストラリアの試合であることが、映像の最初に記されていました。
フィルムは1分余りの短いものです。
日本は今の“日本代表”と同じ赤と白の横じまのユニホームを着ていたとのこと。相手はオーストラリア学生選抜です。映像を見ての一番の印象は『小柄な日本』と『大柄なオーストラリア』ということです。
今は見慣れないプレーも記録されていました。現在は上からボールを投げ入れるラインアウトですが、下から投げ入れているのです。
まだ日本代表が結成されて4年という“草創期”、海外の強豪チームとの試合はまだ珍しく、競技場には3万人の観客が押し寄せたといいます。
当時の記録によると…
オーストラリアの選手は身長6尺、つまり1m80cmを超える選手が多いことが分かります。
一方の日本は5尺余り、1m60cm台と圧倒的に小柄だったのです。それでも連続してパスをつないでトライを決めたり、激しいタックルで相手を倒したりと後半途中までリード。結果は8対18と、残念ながら試合には敗れましたが小さな体で果敢に戦いました。
日本代表の元監督でラグビーの歴史に詳しい日比野弘さんは…
「よくこの映像を残してくれた、ラグビー界にとっても大変貴重な映像になります。
やはり身長差、体重差は当時もあったと思うけど、速いテンポで展開しているので、そういう点では外国とどう戦うかというようなことは、当時も考えていたのではないでしょうか。」
体格差を乗り越えての活躍は、このころに原点があったのですね!
その日本代表を象徴する名選手がこの人!
攻守の要、スクラムハーフの飯森隆一選手です。身長160cm余りと体は小さかったものの、非常に敏しょうな名選手だったといいます。
隆一さんは36年前に亡くなられたとのこと。妻の友子さんに映像をご覧いただくと…
「この人じゃないでしょうか。ちょっと小柄でしょ。皆さんよりちょっと小柄な感じですから。」
「ラグビーが好きで、ラグビーが一番という思いはありましたね。…本人も喜んでいると思いますよ。いつまでも自分の姿を忘れずに保ってもらえているということが伝わっていると思いますね。」
鈴木キャスター「81年前の日本代表が、大柄な相手にあんなにスピーディーな展開で立ち向かっていたというのは驚きましたね。」
河野キャスター「先人の伝統、ずっと続いてきた努力があって、その上さらに最近はフィジカルに体を鍛え上げていったことが、今回の活躍につながっているんだなというのが、よく分かる気がしますね。4年後の日本でのワールドカップに向けて、更に成長を期待したいところです。」
提供してくださった笹山さん、本当にありがとうございました。
実は、今回提供いただいたフィルムの中には、もう一つ貴重な映像が残されていました! ヒントはこちら!
さて…?次回をお楽しみに!