作者 DarkStar
隣国との国交が突然、途絶えて数十年 その間、幾人ものスパイが、その国に侵入するも、 誰一人として帰ってこなかった。 国境付近を守護する大量の魔物。 王の不安を取り除くため、また一人のスパイがこの国に送り込まれて来た。 「全く、どうなってんだ。この国は・・・・・。」 国境の関所の物陰に隠れ 様子を伺う男。 下には、多数の豚人・・・・オーク達が 警護についているようだった。 「まったく、豚、豚、豚ばっかりかよ。・・・・・たまには、 きれいなおねえさんとかいねーのかよ。」 もうこうやって何時間も、 オーク達の動揺を観察していた男が ぼやき始める。 胸元が一様に膨らんだ鎧を身にまとったオーク達。 恐らく牝のオークなのだろうが、 男には、どっちでもいいことだった。 「ブヒィ?」 フゴフゴ、フゴフゴ と一匹のオークが、 空を仰いで、鼻を鳴らすと、 他のオーク達も習って、 同じ事をし始める。 フゴフゴ、フゴフゴ フゴフゴ、フゴフゴ (なんだよ一体?) すると一匹のオークが、ぴたっと動きを止め、 男の隠れている方へ、 尖ったひづめで指差す。 「ブヒブヒィイイイイ!!!」 (げ、や、べえ、み、見つかった!!!) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「はあ、はあ・・・・くっそお。オークの奴め」 一日中追い掛け回され、 息も絶え絶えだ。 「くっそお、はらへったぁ。なんか食いもん 生ってねーかな。」 必死で逃げてきたから分からなかったが、 どうやら森の奥深くまで、来てしまったようだ。 そんな男の目に飛び込んでくる かすかな明かり。 それを頼りに、歩いていく男。 そこには、レンガ造りの一軒の家が・・・・・・。 (こんな森の中に家?) 男も不思議には思ったが、 家からたちこめる旨そうな匂いについつい 窓から覗いてしまう。 家の中には、金髪の髪を長く伸ばし、 雪のように白い肌をした美しい娘だった。 (綺麗な女の人だなあ) 「ちょ、ちょっと、あんた、こんなとこでなにしてんのよ。」 後ろから、聞こえてくる大きな声。 そこには、肩のところで切り揃えた金髪の いかにも気が強そうな娘だ。 「姉さん、変な奴が、うちを除きこんでる!!!!」 男がおろおろしていると家の中から 先ほどの娘も飛び出してくる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「すみません。突然妹が・・・・」 「いえいえ。そんなこちらこそ、夕飯を頂いちまって・・・・。」 「エレナも、機嫌を直しなさい。」 「でも、なんでこんな奴を家に・・・・・」 エレナと言われた娘がふくれっつらでそういうと 「困った時はお互いさまでしょ。・・・・・」 姉が諭し、しぶしぶ納得した様子だ。 そんな所へ。 「ブヒブヒ・・・・・・」 と我が物顔で家の中を歩き回る豚。 「ぶ、豚?家の中で豚をかってるんですか?」 「か、飼う?あ、あんた!! お義兄・・・・モゴモゴ・・・・・」 とエレナが何か言おうとしたようだが、 姉はすぐさま、口をふさぐ。 「そうなんですよ。うちでは母屋で飼ってますの・・・・。」 「でも、豚って汚くありません?」 「・・・・・・・・・」 エレナは、なにかいいたそうに顔を真っ赤にして怒っているようだ。 とはいえ、姉に何か言われたのか静かに黙っている。 「いえいえ、豚はとっても綺麗好きなんですよ。 狭い厩舎に人間が閉じ込めるから、あんなに汚くなってしまうんです。」 やさしげな、娘の声とは、対象に表情は すこし怒っているようにも見えた。 「しっかし、丸々とふとったいい豚ですね・・・・」 「ええ、そうでしょう。」 と今度は心から喜んでいるように にっこりする娘。 よく見ると先ほどまで不満そうにしていた 妹も姉と一緒になってにっこり笑う 「ホント、ソーセージにしたらうまそうだ・・・」 「!!!!」 ボソリとつぶやいた男の一言に 氷つく娘達。 「ひ・・・・・ひどい!! あ、あんた、た・・・た食べるって、 いったいどういうつもりよ!!!」 と男に詰め寄る少女。 その目には涙を貯め、体をがたがた震わせている。 その迫力に男は圧倒されるばかりだ。 「え!!!」 「待ちなさい、エレナ。!!!」 と妹を制する姉。 「すみません。妹は、世間知らずで・・・・。 よその国では、食用に豚を飼うそうですが、 この国では、豚はとても神聖な生き物ですのよ。 ですから・・・その・・・・」 ともうしわけなさそうに姉が 男に説明する。 「あ、ああ、そういう事ですか・・・・ いえいえ、僕の方こそ、 さっきから、失礼な事ばかり言ってすみませんでした。」 と申し訳なさそうに額を押さえて頭を下げるも 男を鋭い視線でにらむ少女。 止めてくれた姉の方も、 なんとなく男に嫌悪感を抱いている 雰囲気をかもし出している。 (おれが何したってんだ。) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ せっかくだから泊まって行ったらどうかと聞かれた 男は戸惑いながらも・・・・・。 「女性だけの家に、止めてもらうなんて・・・・」 と断ろうとした所、 なぜか、娘達はきょとんとした後 「あ、ああ、実は、私の夫がもう少し したら帰ってきますのですから御気になさらず。」 と姉の方が言ってくれた。 どちらにせよ。 男には、当てなどない。 任務遂行のためにも、 ここは、ここのとどまらせてもらった方がいいだろうと思い。 言葉に甘えることにした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 夜も遅くなり、 男が客室のベットで横になっていると・・・・ 「あん、あああ、いい、いいの・・・」 かすかに聞こえる女の声。 場所はどうやら隣の部屋から 普段なら男女の営みなど干渉しないのがルールだ。 だが、姉の夫が帰ってくるという話だったが、 結局帰ってきた様子がない。 不審に思った男が廊下の方へ行くと 部屋のドアがかすかに開いて その隙間から白く美しい肌、豊満な肉体が見える。 「もっとぉ、もっとしてぇ、うん、そのそこ、そこ突いてえ」 この家の娘が、裸で何者かに抱かれている。 声の主は、この家の姉の方だとすぐ分かったが。男の方が全く見えない。 「フゴォ、フゴォォオオオ!!!」 照らされた物の正体は、 先ほど見たこの家の豚だった。 「ち、ちがう、私がほしいのは、貴方だけ、 あんな、あんな不細工な雄、興味ないもの、ホントよ。許して許してアナタァ」 雄豚に後ろから突かれ腰を振る娘。 「あああん、うれしい、貴方、もっと、もっとぉ・・・・・・」 「はあ、はあ、お義兄さん、・・・・姉さん。・・・・・・あんなに、激しく・・・・・」 と闇の中から突然聴こえてくる声。 振り返るとそこにはエレナが立っていた。 顔を真っ赤に紅潮させ 左手で、姉ほどは大きくないが、 形のよい膨らみを揉みながら、 右手を股に擦り付けている その姿に絶句する男。 「もういい。こんなぶさいくな、人間のオスだけど・・・・・ でも、体が疼いてたまらない。ぶぅ、ぶひぃ!!!」 少女が鼻息あらく、男に迫ると、 そのまま押し倒し、上に乗ってくる。 「や、やめろ!!」 これでも、諜報員たる男の体を、 少女が押さえつけている。 (う、うごかない、こ、こんな細腕の女の子がなんて・・・力・・・・・) 「もう、じゃましないでよぉ・・・・・・ぶひぃいい」 男の手を払いながら ズボンを脱がし、男の象徴を取り出した少女 「なにこれ・・・・・?」 少女のがっかりした溜息は、 男の胸の深く突き刺さった。 「変な形~、もう!!、人間のってこんなつまんない形なの!! お義兄さんみたいな素敵なやつじゃない。でもいいや、こんなのでも・・・・・・ 交尾すれば、きっと収まるよね。この熱いの・・・・」 雄豚の性器は、螺旋状になっており、人のそれとは形状が異なる。 それについて言っただけだが・・・ 男からすれば、自分の大事な所を見られて がっかりされるのは、気が沈んでしまう。 馬乗りのまま、男に尻を向けると少女は、 いきり立った男の上に、座り込み自らの秘所を挿入していく。 「う・・・・」 「あ、あぁああ、ぶひぃいいいい、あああん、ぶひぃぶひぃいい 気持ちいい、あはあ、オスって、オスってこんなにいいんだぁ、ぶひぃ。」 プリン。 少女の尻から、細長い物が生え、 まるで渦を巻いたかのように、くるっっとまるまる。 (な、なんだ、あれ。) 少女の尻でかわいく揺れるそれに目を奪われるていると 男達の隣で大きな音が鳴る。 「フゴッ、フゴォ!!!!」 「ブヒ、ブヒィイイイイ!!!!!」 という、大きな豚の啼き声。 長い金髪を振り乱し、 「ブゴィ、ブヒいいイ」 声を上げる姉の顔には、存在感のある 巨大な鼻の孔が、こちらを向いている。 ほっそりとした頬を贅肉が覆うと、 その顔は完全に豚のそれに変わった。 「お嬢さん・・・・・・、じゃ、じゃあ、ま、まさか」 自分の上に乗っかった少女の髪がゆれ、 その顔が男の方へ向けられると。 「ブヒッ」 美しい少女の顔から生えた平べったい鼻が 生暖かい息を吹き付けてくる。 「う、うわああああ、や、やめろ!!!」 豚娘と化した少女に犯され、 逃げようとするも、その体は、がっちりと男を掴んで離さない。 それどころかより一層激しく腰を振る。 「お、おい、や、めろ!!!」 「ブ、ブヒィイイイ!!!!!」 「うわああああああああああ」 二人(?)は叫びと同時に絶頂に達し、 男は、牝オークに自分の分身を注ぎ込む。 「はぁ、はあ、な、なんてこったい。お、おれ、お、オークと・・・ う・・・うご、うごおお。ふごごおおおおお」 その声と共に男の体も変化してゆく、 ゴキゴキという、骨と筋肉を変化させるいやな音を響かせながら、 男の体は作り変えられていく・・・・・。 娘達と同じように・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ここは、村の家の一角。 一匹の豚を村の女達が取り囲む。 その中の一人が、前に進みでると。 「やっぱり、○×のスパイか。」 「どうする?村長?ここは、やっぱり・・・」 「うーん、そうだねえ、悪いがせっかくのいいオスだけど・・・・」 「ま、待って!!その人を殺さないで・・・・」 「エレナ!!!」 「ははーーん、ひょっとして、あんた、こいつの事・・・・」 と図星をさされ、顔を真っ赤にする少女。 「あ・・・、だ、だって、あんな不細工な人間がいきなり こ、こんな素敵な雄になるなんて・・・・。」 彼女達の感覚では、腹がたるみ 鼻の穴が立派なオスこそ、美しいとされる そう、オークの感覚では、 例えどんなにどれほど男前であっても、人間は不細工なのだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「はい、あなたぁ、あ~んしてぇ」 豚に寄り添って、自分の作った料理を スプーンで豚に与えるエレナ。 「ブヒィ・・・・モグモグモグモグ」 「おいしいい?」 「ブヒィィイイイイ!!!」 豚の肯定を意味するうれしそうな鳴き声に 「ふふ、よかったぁ」 「ごめんなさい、あなた・・・・ 私、朝までこんなみにくい姿で居なきゃいけないから 一緒に居られるの嫌よね・・・」 と暗い顔をするエレナ。 「ブヒィ、ブヒ!!ブヒヒヒヒヒ!!」 (そんなことない。今の姿の君もすごく綺麗だよ・・・) 「え、ホント?、こんなみにくい姿を誉めてくれるの・・・・ うれしい・・・。」 うれしさの余り興奮した少女。 「ブィブィイイイイイ!!」 スプーンを持った細い指が、二股のひづめとなり 鼻が飛び出していく。 「ブヒ、ブヒイイイイイイ」 (うれしい、あたし・・・・貴方の愛で豚に戻れる・・・・・) 喜びの声を高らかにする牝オーク。 その尻で揺れる尻尾に雄豚も興奮し、 自らのモノを挿入する。 「ブヒィ!!!!」 「ブゥ、ブヒ、ブヒィイイ、ブヒィイ」 (あん、いいの もっとついて、あん、えぐれる 貴方のうずまきで、あたしのおなかの中えぐれちゃうよぉ) 「ブヒイイイイイイ」 (はああ、こんなかわいい、女の子がいつもそばに居てくれる。 毎日毎日うまいもん喰っちゃ寝て、喰っちゃ寝て。 これなら、一生豚の姿でもいい・・・・・ もう、任務なんて、ほんとにどうでもいいや・・・・・・) だんだん豚に落ちていく男。 この国のオーク達もかつては人間であった。 オークによって、姿を変えられた女達は、 人を襲い、男は豚に女は、牝のオークに変えられてしまった。 牝オークとなった彼女達は、 夜になると一時的に人の姿になれたのだが。 しかし、時が流れ、自分たちの本来の姿を忘れた 女達は、人の姿を嫌悪していく。 代を重ねるごとに体も心も、豚のそれに変わっていく者達。 次第に、夜になっても人間に戻れなくなる者達も増えてくる頃には、 身も心もオークの国が誕生するのだろう。おわり
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