特集
» 2019年10月07日 08時00分 公開

Zoomとは? なぜ人気なのか 使い方や機能を試した

働き方改革や2020年のビッグイベント時のテレワーク体制の構築などを背景に、あらためてWeb会議を導入する意欲が高まっている。なかでも、後発ながらシェアを伸ばしているZoomミーティングにフォーカスを当て、Web会議のトレンドを追いかけてみたい。

[酒井洋和てんとまる社]

Web会議市場の今

 遠隔地を映像と音声でつなぎ、円滑なコミュニケーションを実現するWeb会議。専用端末でのビデオ会議に比べて、シンプルな構成で手軽に利用できることが評価され、多くの企業で採用が進む。最近は、社外ミーティングにも利用されるなど、コミュニケーションインフラとなりつつあるのは間違いない。

 Web会議と、専用端末を利用したビデオ会議は区別されてきたが、映像や音声を圧縮変換するコーデック処理は通常のCPUでも十分に可能になり、専用ASICでなくとも十分な会議の品質を確保できるものが増えている。もちろん品質面では専用端末の方が優れている場合もあるが、業務の中で活用するにはWeb会議であっても十分なクオリティーで遠隔会議が実施できる。

後発ながらグローバルでWeb会議市場をけん引するZoom

 近年は、音声や映像の品質はもちろん、操作性の高いWeb会議ソリューションも登場している。実際に具体的な使い勝手を見ながら、Web会議ソリューションの今を概観していこう。活用するのは、元シスコシステムズのCisco Webex Meetingsを開発したメンバーが立ち上げたWeb会議ベンダー、Zoom Video Communicationsが提供する「Zoomミーティング(以下、Zoom)」だ。

 Zoomは、Web会議の仕組みをSaaS型で提供するソリューションだ。基本的にはSaaS型の他のソリューションと同様、インターネット越しでの会議が可能な仕組みだ。「ビデオファースト」という同社の思想にも表れているが、音声はもちろん、映像の品質もこだわる。例えば、コーデック処理は独自の仕様に基づいており、標準的に採用されているH.264 SVCなどをベースに拡張を加え、サーバ側に負荷がかからないよう、デバイス側で最適な品質の映像を選択できる。1つの画面で同時に49人の映像を映し出しても、会議を開催できるほどだ。

 通信に関しては、デバイスおよびネットワークの種類や通信状況に応じて最適な処理をダイナミックに行っている点が品質に大きく影響する。同社がグローバルに展開する複数のデータセンタ同士がそれぞれ同期されており、接続先のIPも含めて最適なデータセンタが選択される。ホップ数が増えることで発生しがちな遅延やパケットロスを極力発生させない仕組みだ。

 また、映像と音声の品質はもちろん、使い勝手にも特徴がある。会議を開始する際のトップ画面を見ても、そのシンプルさが分かるだろう。機能そのものがアイコン化されており、メインで利用する機能だけが簡潔に配置され、ITツールに不慣れな人でも直感的に操作できるインタフェースだ。

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 使い勝手を高める工夫は、これだけではない。

 アクセスの際は、招待者がメールなどで送付したURLをクリックするだけでよく、例えばMicrosoftやGoogle固有のアカウントを事前に取得するような手間は掛からない。PCはもちろん、タブレットやスマートフォンなど、多くの端末から接続可能な“ハードウェアニュートラル”な環境を実現しており、メニュー構成も変わらずに会議を始められる。

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