長野本「高森町の動植物」完成 希少種も収録
今後の自然保護活動や政策立案の基礎資料として活用するため、高森町が町内の生物相を調査し、作製を進めていた書籍「高森町の動植物」が完成した。四日から事前に予約した町民を対象に無料で配布する。 町内で確認された約千四百三十種の植物と約三千四百五十種の動物を分類ごとにまとめた。一般の読者向けに写真付きで分かりやすく紹介しただけでなく、生物の目録や生息数の記録なども掲載し、将来の調査研究にも活用しやすくした。 外部機関への委託ではなく、地域の自然環境を長年見つめてきた飯田・下伊那の研究者十一人に調査を依頼。四年をかけて完成させた。研究者だけでなく、町民が提供した貴重な写真や町職員が発見した希少種も収録されている。 環境省や県がまとめたレッドリストの絶滅危惧種や準絶滅危惧種も七十九種掲載した。絶滅の危険性が極めて高い1A類に分類されるラン科の山野草エビネの自生が発見されたほか、絶滅危惧2類とされるコウノトリ目サギ科の渡り鳥ミゾゴイの鳴き声を確認、民家に飛来した際に町民が撮影した貴重な写真も載せた。 作製に携わった同町産業建設課森林保全係の松島高根さん(55)によると、景観改善などのために各地で再整備が進む段丘林が、絶滅危惧種の貴重な生息地になっているという。松島さんは「景観だけでなく、生物多様性とのバランスを考えて整備していく必要がある」と話した。 若干数の在庫があり、購入できる(三千九百円)。生物の生息・目撃情報も引き続き募っている。(問)高森町環境水道課環境係=0265(35)9409 (飯塚大輝) PR情報
|
|