新型コロナウイルスの流行拡大が止まらない。
感染しない、させないために、外出や移動をなるべく避け、人と人との距離を保つことが必要だ。外出自粛も行政から強く呼びかけられている。
一方で、医療や電気・ガス・水道・交通・食料品などの社会機能を維持するために外に出て働かなければならない人もいる。
命や社会を守るためにそれぞれができることをし、外で働く人を応援するため、「stay home to save lives 新型コロナウイルス感染爆発防止のために私ができること」というキャンペーンがはじまった。
公衆衛生が専門の国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授の和田耕治さんがデザイナーの下部純子さんの協力を得て呼びかけた。
SNSで使えるように「私は家にいます」「命と社会機能を守る仕事をしています。だから、外出します」というメッセージを入れたロゴを作った。
和田さんは「SNSなどで積極的に利用して、命を守るという共通の目的のために連帯しましょう」と呼びかけている。
ロゴは6種類
ロゴは6種類。TwitterやFacebookなどSNSで気軽に活用してもらえるように、丸や正方形、長方形でそれぞれのメッセージを入れた。
バッジやポスターなどとしても活用してほしいという。商用以外の利用はフリーだ。
和田さんが、仕事でつながりのあった下部さんに「今、現場で大変な思いをしている医療や社会機能の維持のために働く人たちを応援するようなものを作れないか」と依頼し、週末1日の突貫工事で完成した。
下部さんは「一般の人ができることは限られていますが、自分たちが家にいて健康を保つことは、医療を応援することにもつながります。『外出しないで』というネガティブなメッセージではなく、命や社会を守るために積極的に家にいるのだという前向きなメッセージを届けたかった」と話す。
デザインを担当した下部純子さん
SNSなどで使ってもらう時に映えながら、心が落ち着くような色を選んだ。家の中のハートが医療を象徴する十字を囲むデザインは、「家の中で過ごすことが誰かを思いやることになり、医療を守ることにもつながる」という思いを込めた。
社会的な距離をとる感染対策に、人と人とが分断されがちな現状を見ながら、下部さんはこう願う。
「自分の友人や周りの人たちと一緒に頑張ろうよと励まし合うツールにしてほしいです。家にいることは人と離れて孤立することではなく、外に出て働く人たちを応援し、つながることになるのだと気づいてもらえたら」
外出自粛が長引く見込みの中で
厚生労働省で対策作りにも関わる和田さんは、ロゴを作った狙いをこう語る。
「新型コロナウイルスの感染拡大により、いろいろな思いが交錯しています。今後も自粛の要請はある程度は継続するでしょう。また、感染が広がって緊急事態宣言などが出たとしても、命を守るため、社会を維持するために外出しないといけない人もいるでしょう」
「本当は外に行きたいけど、感染を広げないために、そして命を守るために自分で家にいることを決める。感染リスクはあるけど外出しなければいけない人を応援する。そんなロゴをと下部さんにお願いして作ってもらいました」
ロゴを企画した和田耕治さん
そして、このロゴを、みんなが連帯するために使ってほしいと願う。
「これをそのまま使っていただいてもいいですし、これをたたき台としてさらに他のものを作っていただければと思います」
「これから長期戦です。悲しいことがまた起こるかもしれません。しかし、乗り越えていくために私たちはお互いに地域で、そして世界で連帯していかなければなりません」
ロゴには、こうしたバナータイプもある。
一連のロゴは、ウェブサイトからダウンロードできる。
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