(長期投資家なら) TECLには手を出さない方が良いという話です。
アニメタイトルネタ 第2弾
画像のアニメご存知でしょうか。今期でもトップクラスの面白さを誇ると思っている「映像研には手を出すな!」です。
ちなみに画像の少女は海外では屈指の人気キャラらしい金森さんです。もちろん私も主人公3人娘の中では一番好きですね。
・・・もっとマジめに米国株ブログやれって怒られそうなのでこのへんにしておきます。
今回はTECLのお話です。
TECLとは?
私は米国の技術セクタに連動しているVGTに全振りしています。
VGTもそこそこ高リスク高パフォーマンスと言われていますが世界は広いです。
VGTを遥かに超える高リスク高パフォーマンスのETFが存在します。それがTECL (ディレクション・デイリー・テクノロジー・ブル 3X)です。
Technology Bull & Bear 3X ETF | TECL, TECS Funds | Direxion
TECLはその名の通り、テクノロジーセクタに3倍レバレッジかけているETFです。
保有銘柄は以下です。
TECL Index Top 10 | % |
Apple | 19.76 |
Microsoft | 19.38 |
Visa | 5.18 |
Mastercard | 4.27 |
Intel | 4.19 |
Cisco | 3.28 |
Adobe | 2.57 |
Salesforce.com | 2.32 |
Nvidia | 2.32 |
Accenture | 2.15 |
そしてお次はVGTの保有銘柄です。
VGT Index Top 10 | % |
Apple | 18.54 |
Microsoft | 15.98 |
Visa | 4.21 |
Mastercard | 3.77 |
Intel | 3.71 |
Cisco | 2.87 |
Adobe | 2.24 |
NVIDIA | 1.90 |
salesforce.com | 1.90 |
Accenture | 1.88 |
はい、同じ技術セクタなだけあってVGTとTECLの保有銘柄はほとんど同じです。
大きな違いはやはりレバレッジが3倍だという事ですね。
あと、もう一つ重要な事として経費率があります。VGTの経費率は0.10%ですが、TECLは1.08%です。レバレッジを掛けているだけあって手数料がかかっているのでしょう。
TECLのパフォーマンス
以下はTECL(技術セクタ3倍)、SPXL(S&P500 3倍)、VGT(技術セクタ)、VOO(S&P500)の約10年間の推移です。
直近10年でVOOは約2.4倍、VGTは約4.9倍、SPXLは16.9倍、TECLは33倍!、となっています。VGTとTECLと比較すると約7倍のパフォーマンスになっています。
いや、すごい、すごすぎるよ! TECL!
保有銘柄の割合がやや違う為か完全ではありませんが、TECLはVGTのおおよそ3倍のスピード(福利)で動いています。
もし私がVGT 極振りでなく TECL極振りを選んでいたら現在の資産は軽く1億円を超えていたでしょう。(投資にタラレバは厳禁ですが)
ここ最近の好景気の為か、実際にTECLを買い始めているブロガーの方もよく見かけます。某大型掲示板の米国株スレではTECLを買っておけば寝ているだけでお金が増えるとか言っている人もいますね。
TECLのデメリット・リスク
・・・と、これだけ見れば「よし、今すぐTECLを買いまくるぞ!」となる方も居られるでしょうが、ちょっと待って下さい。もちろんデメリットやリスクが存在します。
経費率が高い
持っているだけで1.08%の経費がかかります。ETFとしてはかなり高い方です。
株価が下がっている時はこれがボディブローのように効いてきますね。ただ一旦好調になれば1.08%なんてかき消すぐらい上がるのも確かです。
私としては気になるところですが、レバレッジETFを選ぶような人ならたいして気にならない点でしょう。
株価が行ったり来たりすると目減りしやすい
例として、100万円投資でVGTなら1日目に+1%、2日目に-1%だと99.99万円になりますが、TECLなら+3%、-3%で99.91万円になります。100万円に対して0.07%の差が出ます。
さらに大げさに言うと200日間-1%、200日間+1%だとVGTなら98.02万円ですが、TECLだと83.52万円になり、14.5%の差が出ます。
このように上下の動きが大きいと目減りする量も大きくなります。暴落してまた元に戻ろうとする時等はTECLの方が動きが遅くなるわけです。
下がるスピードも3倍
やはり、コレですね。
当然ですが下がるスピードも3倍です。暴落時は一気に下がります。
直近の2018年9月から12月に起きた暴落ではVGTが21%下落したのに対して、TECLは55%下落しています。
幸か不幸? か、TECLはリーマンショックで底値に近い2008年に始まりました。そのためリーマンショック時のTECLのデータはありませんが、もしその時にTECLがあったとしたら限りなく0に近い値まで下落するでしょう。
なお、誤解されがちですがVGTがトータルで33%以上下落する場合でもTECLは原則マイナスになりません。直前の株価から下落率が計算されるので、株価が下がっていくとどんどん下落幅も小さくなります。
VGTが一瞬で33%以上下落するぐらいの暴落でもTECLはETFで現物の為、最低値が0でマイナスになる事はありません。実際はサーキットブレーカーが働くのでその可能性はかなり低いと見ています。
大暴落時には早期償還 の可能性も?
じゃあ、TECLはずっとバイ&ホールドしても良いかと言われるとそうでも無いと私は思います。
確かに株価は0になりませんが限りなく0に近くなったとしたら、そもそもETFとして成立できるのでしょうか?
TECLはDirection社が借金をしてレバレッジを効かせているというのが私の理解です。
あくまで私の勝手な推測になりますが、大暴落時にはレバレッジETFとして立ち行かなくなり、上場廃止、そして早期償還 (強制的に二束三文で現金化される) も有り得るのではないのかと心配しています。
VGTは業界最大手のバンガード社のETFですし、リーマンショックも切り抜けたので信頼しています。しかしTECLはまだリーマンショック級の大暴落を切り抜けた実績が無いのが気になるところです。
TECLのまとめ
TECLはVGTと保有銘柄が同じであるものの、全く性質の異なるETFです。
とんでもないパフォーマンスを秘めたETFですが、バイ&ホールドで長期保有はオススメしません。つまりタイトルどおり、「TECLには手を出すな!」です。
ただ、そのリスクを理解した上で短期で売買するのなら非常に有効だと思います。うまくいけば一気に資産を増やす事ができるでしょう。
私がTECLを買わない理由
私はTECLを買っていませんし、今のところは買う予定もありません。
理由は以下となります。
VGTだけで十分に目標金額の1億円を達成できそうだから
VGT極振りでもいまのところ行けそうです。余計なリスクを背負う必要はありません。
詳細はリンク先をご確認下さい。
精神的に耐えられる限度がVGTまでだから
私はリーマンショック級の大暴落が来てもVGT(約60%下落)なら精神的に耐えられると見込んでいます。しかし、TECLでそれ以上(90%以上の下落)となると想像するだけで日々の生活に支障をきたしてしまいます。
面倒くさいから
面倒くさがり屋の私としては短期運用はありえません。
ひたすら情報収集、解析を行ってプロですら答えを出すのが難しい売買のタイミングを見定めるのなんてやってられません。
私が長期運用をやっているのはそれが一番確実だからというのもありますが、それが一番楽だからというのが大きな理由です。
最後に
懲りずにまたアニメタイトルネタでやりました。こうすればアニメオタクの人も米国株に興味持ってくれるかと思って・・・すいません。嘘です。私が好きなだけです。
次は「ダウが30000いってくれたら死ぬ」という記事を書こうかな。
他にもアニメタイトルをネタにした記事を書いているので興味がある方はどうぞ。