対北消息筋は「中国人が大勢行き来する平壌や平安南道・北道、咸鏡北道の清津と羅先で新型コロナウイルス感染症の患者が集中的に発生している」として「北朝鮮当局が取る措置は、隔離および地域間の移動統制が全て」と話した。新型コロナウイルスの防疫局面で、公務や商売で他地域に移動するためには、通行証と共に衛生防疫証を所持していなければならないという。消息筋は「衛生防疫証の場合、賄賂を渡しても手に入れるのは困難」だとして「北朝鮮の住民だけでなく、隔離が解除された外国人たちも出国を禁止されて移動が制限され、非常に歯がゆい思いをしている」と伝えた。
事情に精通した対北消息筋は「北朝鮮は、新型コロナウイルスが空気感染するため感染が拡大すれば全滅する恐れがあるという危機意識を持っており、強い対応を取っている」と話した。北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙・労働新聞は31日、リ・ギョンチョル金日成総合大学副教授の寄稿文を通じ、新型コロナウイルスの非常防疫体系に絶対服従することを強調した。北朝鮮では診断キットなど十分な医療設備がなく、地方の場合はまともなコロナウイルス検査など考えられないという。
対北消息筋は「平壌を中心に、新型コロナウイルス感染が疑われる患者たちに中国とロシアから支援された診断キットを使ったところ続々と陽性反応が出た」として「北朝鮮が国際社会に新型コロナウイルスの防疫物資の支援を要請したのも、こうした理由からだ」と話した。これに先立ち今月28日、国際医療支援団体「国境なき医師団」が支援した新型コロナウイルス対応の防疫関連物資が中国・丹東を経て北朝鮮に到着した。これは米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が31日に報じた。国策研究所の関係者は「北朝鮮当局は新型コロナウイルス感染症の患者や死者がいないと主張しているが、北朝鮮内部でコロナ感染による被害が拡大しているとみられる」と話した。