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【東京】

都公文書館 きょうオープン 歴史的資料の保存や閲覧、国分寺に移転

移設オープンする都公文書館=いずれも国分寺市で

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 歴史的資料の保存・管理や閲覧サービスを提供する都公文書館が一日、これまでの世田谷区内から国分寺市泉町の新施設に移転オープンする。ただ新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、資料閲覧室を事前予約制にするなど、十二日までは施設利用を一部制限する。 (小倉貞俊)

 新施設は三階建て(延べ床面積一万三百平方メートル)で、内装に多摩産木材を多く活用した。資料閲覧室だけでなく、新たに江戸・東京の歴史を紹介する展示室や、講座や研修に利用できる貸し出しスペースも設けた。デジタルアーカイブも導入し、所蔵資料をインターネットで順次公開する。

 同館の担当者は「利用者のサポートをより充実させ、公文書や歴史に関する調査研究を支援していきたい」と話す。十三日以降の対応は、同館ホームページで知らせる。

 日曜・祝日休館。JR西国分寺駅から徒歩八分。問い合わせは同館=電042(313)8440=へ。

温度や湿度を管理している書庫。段ボール箱3万箱分の公文書を所蔵する

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◆歴史公文書制度も開始

 都公文書館の移転オープンに併せて一日、改正公文書管理条例が施行され、都政の重要資料を確実に公文書館に移管するための「歴史公文書制度」が始まる。

 同制度は、築地から豊洲への市場移転を巡る会議の議事録が残されていなかった問題がきっかけとなって創設された。都はまず、二〇一七年に公文書管理条例を制定し、重要な政策や事業では決定経過が分かる文書の作成を義務付けるなどした。

 一日施行の改正条例は、重要な公文書をあらかじめ「歴史公文書等」に指定し、保存期間終了後に公文書館に移管することを規定している。指定文書以外も公文書館が必要と判断すれば、担当部署に移管を要請できる。公文書の保存や廃棄について意見できる第三者委員会も創設した。

 都の担当者は「後世にまで説明責任を果たしていければ」としている。

内装に多摩産木材が多く用いられた資料閲覧室

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