猫にそんなこと聞かないで。

発達障害とか精神科医とか猫とか外国とかの話

踊り子さんには手を触れないでください。


(約2200文字)
今日は仕事は休みであり、たっぷり寝たので元気はつらつ!

最近は、やっと保健所が動いてくれるようになったため、妖精化が疑わしい発熱者や妖精者の濃厚接触者の可能性のある人を厳選して毎日PCR検査することができている。昨日、一昨日と妖精さんの出現はなし!隔離予防策はまぁまぁうまくいっているので、今後出たとして1、2人かな。それもごく初期に見つけているため終息はそう遠くないだろうとみている。

私は相変わらず、ナースコールで呼ばれてはあっちゃこっちゃに小走りしているが、床が常に消毒掃除されているため、すってんころりと2回ほどこけて、膝小僧に青あざを作りつつがんばっているよ。

4月になれば常勤医が入るため、私はお役目御免でB病院勤務に備え、2週間自宅待機となる。最初は4月から1週間の予定だったけど、終息が長引いたため、2週間の自宅待機なのだ。あと6日、なんとか感染せずに3月を終えることが出来たら、猫とまったりできる。猫は2週間も私が家にいることをうざく思ったりしないだろうか、すこし心配だけど…

しかし、あいかわらず感染には気が抜けないのだ。
今、A病院は、ホワイトな病棟が3棟。グレーな病棟が1棟。ブラックな病棟(妖精さん達のいるところ)が1棟。
グレーから怪しい人が検査されて、時に妖精さんとわかり、ブラック病棟に移される。


昨日も、マスクをせずにうろうろするグレー病棟のおじちゃん。
ナースステーションの小窓をあけようとする。
『マスクちゃんとしないと開けません。閉店でーす!』とナース。
おじちゃん、ポケットからマスクを取り出す。もっとるんかい!
付け始めるところを、ナースステーションにいたスタッフみんなが見守る。
鼻を出したままつけ終わる。うーん、惜しい。かと思いきや…
その後で鼻をちゃんとしまって、完璧につけ終わる。
ナースステーションのスタッフみんな、思わず拍手かっさい!おじちゃん、にやーと得意げに笑う。


そんなグレー病棟。
患者さんにはことの深刻さは理解できないので、あいかわらずの行動パターンである。
私を見つけると、『おーい!』と呼んで、いつも手を握るYさん。
この人は持病のデパートであり、ただでさえ死にそうな人なんだから感染には気を付けないといけないと思ったところで本人には理解できない。たっぷり手指を消毒したうえで手を握ってもらい、去る前にもお互いに消毒をする。


困るのが、不意に触られることだ。
精神科の入院患者さんの中にはちょっと変わったパーソナルスペースの持ち主もいる。

自由ネコさんがトナラーに対する困惑、パーソナルスペースについて触れている。
gattolibero.hatenablog.com

いわゆる普通の日本人は、わりとパーソナルスペースが広めの人が多いと思う。電車の長椅子が開いていたら、まず両端が埋まり、そこからは両隣の人から等間隔に距離を置いて座るというパターンが主だ。外国では意外とそうではない。ヨーロッパでカフェに行くと、他が空いているのになぜか向かいに座る人が時々いて『なんで、ここ?』と戸惑うことがあったけど、こういう人がトナラーという人達なのだろう。

これが、精神科の入院患者さんとなると、たまに不意にパーソナルスペースを詰めてくる、予測しがたい行動をする人達がいて、ドキドキさせられる。
以前、B病院にて背中をポンポンと叩かれたので振り向くと、自分が振り向いた顔に触れそうなくらいすぐ真ん前によく知らない男性患者さんの顔があって、めちゃめちゃびっくりする。『ラ、ラーメン…大好き?』と不意に聞かれ、『ラーメン、大好きだよ』と答えると、『チョ、チョコレートは、好き?』とまた尋ねる。『チョコレート、好きだよ』と答えると、にやぁと笑って、去っていった。パーソナルスペース、ほぼゼロに近い。こんな感じで急に来るからドキドキするよ。来るなら予告して!


これが、この感染症が流行っているときだと、特に大変なのだ。

グレー病棟のFさん。ゴロにゃなんて知りませーんとばかりに、何度言ってもマスクをはめず病棟内をうろうろする困ったおばあちゃん。彼女は私の担当患者さんではないのだけど、なぜか私を大好きなようで、見かけるといつも満面の笑みで手を振り話しかけてくる。つい数日前、Fさんなぜか急に感極まり、私に熱烈なハグをして私の頬に激しくほおずりをしたのである。私はブラック病棟ではそれなりに重装備だけど、グレー病棟ではそこまではしてないので、マスクはしていても顔は露出していたのだ。
そのFさんが2日前から発熱し、じっとしていない疑わしい患者さんでもあったので昨日検査をした。
結果、どうやらニュースになっていないので、陰性だったようだ。ふーやれやれ。

こんなふうに精神科病棟では他の病院では起こらないような奇襲攻撃も生じることがあるため、デューク東郷ばりに気が抜けないのである。これが終息したらいくらでも触らせたげるから、今はダメ!

スキンシップについて書いてます。
nkobi1121.hatenablog.com

ではまた。