◇第72回全日本学生選手権大会◇8月10・12日◇ベイコム総合体育館◇
[2部男子個人選手権]
39位 木村 73.100
78位 木本 67.150
[2部女子個人選手権]
48位 永田 42.550
[2部男子種目別決勝跳馬]
6位 木村 12.325
[2部女子種目別決勝跳馬]
6位 永田 13.000
5月末に行われた西日本学生選手権大会を勝ち抜き、全日本インカレの舞台に立った木村僚太主将(商3)、永田晶子(政策3)、木本大晴(商1)。大会初日の個人選手権では、木村は小さなミスが重なりながらも、跳馬で13.450をマークし、種目別決勝進出を決める。さらに永田も、他種目でミスが出たものの、跳馬で12.950を出して同じく種目別決勝へと駒を進めた。木本は大学最高峰の大会に「少し緊張もした」と振り返ったが、1年生ながら堂々とした演技を披露した。
△木村
△永田
△木本
練習から大声援を受け、永田は笑顔でスタンドに手を振った。「残ると思っていなかった」という種目別決勝の舞台だった。
1年時にも西日本インカレを通過し、この大会への出場権は得ていたものの、けがで出場はかなわなかった。昨年は手術を経験し、初めての出場となった全日本インカレ。「晶子ちゃんがんばーっ!」。練習、本番を通じて関大だけでなく他大学の選手たちの声援も背に受けた。思い切りよく踏み切ると、「予選の時よりも内容も良かったし、点数も良かった」。予選より順位を上げ、6位で大会を終えた。
「すごい楽しかったです」。声援を受けた時のような笑顔で大会を振り返った永田。できることをやった大会で、種目別決勝まで残ることができた。「これからもっとやったらもっと上にいけるから、体育館もできたしやってみようかなっていう感じです」とさらなる飛躍を目指す。
△スタンドに笑顔で手を振る永田
種目別決勝を終えた後、木村はいつになくすっきりとした表情をしていた。「割と満足かな」。こだわってきた技だった。ずっと成功を追い求めてきたドリックス。昨年の全日本インカレでは着地で両足がラインから出てしまい、決勝に残ることはできなかった。個人選手権でも跳んだものの、着地で膝を着いた。「今年もむりかなぁと思ってた」。しかし種目別決勝への進出が決まると、「やってやろう」。強い気持ちが湧いてきた。
決勝前の練習から、確かな手応えをつかんでいた。「いけるな」。個人選手権の日と同じく、調子も良かった。本番も緊張することなく挑むと、着地で右足が一歩動いてしまったが、立つことに成功。別の技を跳んだ2本目ではミスが出て点数を伸ばすことはできなかったが、「来年につながる試合でした」と笑顔で大会を振り返った。また、ドリックスよりもさらに難度の高い技への挑戦も示唆する。来年は団体での出場を目指す器械体操部男子。さらにレベルアップしたエースが、関大を全国へ導いてくれるだろう。【文:宮西美紅/写真:勝部真穂・宮西美紅】
△閉会式後の木村(左)と永田
▼木村
「(8月10日分)きょうは我慢しました。我慢の試合でした。最後にあん馬で力尽きちゃったんですけど、それ以外はちっちゃいミスがあったんですけど次につながる試合だったなと。技とかも増やしていって、その中でほんまにちょっとのミスが重なっていっちゃって点数につながらなかったんですけど、この調子でいけばどんどん上がっていくんじゃないかなって。来年は団体で出ます。調子は良かったです。めっちゃ動きとかも良かったんですけど、動きが良かった分、ちっちゃいミスとかが惜しいなって感じです。そこはこれから練習で補っていって、来年団体で出るのにまず僕が点数を上げていってみんなを引っ張っていけたらいいなと思います。(増えた技は)跳馬と平行棒。跳馬が、西(日本インカレ)はアカピアン。去年からずっと言ってるんですけどドリックス、半分ひねり増やした技なんですけど、それがめちゃめちゃ良かったわけではないんですけど、収穫はあったなって。これからも使い続けられるなって感じはきょうはありました。着地で膝着いちゃって、わあー…って感じだったんですけど。まさか前に行くとは予想してなくて、後ろ一歩くらいかなと思ってたら調子良かったんで前やったんで、『うわっ、前か!』って(笑)。次は完璧に跳べるんじゃないかなと。平行棒はまだまだ技増やさないといけないんですけど、とりあえず今回は1個増やして。その増やした技でちょっとだけミスしちゃったんですけど、調子良すぎてのミスだったので良くはないですけど悪い失敗ではないかなって感じです。課題はもう…めちゃめちゃあります。Eスコアがきょう8点代が多分なかったと思うんですよ。まずEスコアを全種目8点に乗せられるように細かいところまで良くしていって、その中でまた新しい技とかも入れないといけないので、死ぬほど練習するしかないですね。(8月12日分)良かったんじゃないですか、きょうは(笑)。ドリックス立ったんで。まあ割と満足かなって。2本目に膝伸ばすやつやろうと思って、あんまやらないんですよ。普段跳馬1本なんで。2本目が今年から練習し始めた技で、やったら膝曲がっちゃって。演技の価値点が下がっちゃってそこだけ悔しいです。来年は跳んで跳馬優勝できるようにしたいですね。ずっとドリックスドリックス言ってたんですけど、やっと使えるようになって。個人の時は膝着いちゃったんですけど、きょうはもうアップの時からいけるなと思ってて。今回の試合の全体的な収穫はだいぶでかいです。来年につながる試合でした。来年は個人で優勝を目指してやります。(今日の調子は)ばりばり良かったです。細かいところを直していったらいけるところまできてるんで、やります。降りた時一歩なんですけど、ラインを出ちゃったんですよ。でも0.1くらいしか減点されてなかったので、あとはもう着地まとめたら14点台に乗るので。一歩動いた時は『うわー』みたいな感じやったんですけど立ったことがでかいんで、十分かなって感じです。去年は立って、両足が出ちゃったんですよ。で、おととい膝着いちゃって、今年もうむりかなぁと思ってたんですけど、ラストから2番目くらいで種目別跳馬(決勝)に出られることになって、もうやってやろうって。技自体にもだいぶ慣れてきたんで。(ドリックスは)高校の時からずっと、1個難度が低いアカピアンを跳んでいて、着地も止められるくらいまでいっていてしたいなと思ってて、去年くらいからやって立つか立たないかの微妙なラインやって、今回でやっと安定してきて。試合で立ったってことがまずでかいので、それをもっとまとめていって。跳馬の種目別は2本跳ばないといけないので、2本目もちゃんと練習できる状態なので欲を言えばドリックスよりもう1個高い技があるんですけど、それにも挑戦したいなって感じですね」
▼永田
「(8月10日分)1回生の時にこの大会の出場権っていうのは得られていたんですけど、足が痛くて棄権したんですよ。本当はその1回生の大会で体操を辞めようと思っていて。でも出られなくて手術して、だからこの大会はリベンジの試合で。全日本インカレっていう舞台に立てて良かったっていうのもあるんですけど、内容的には攻めた体操っていうか、そんな色んな技を入れたりとかはできなかったんですけど、まあ全体的には良かったかなと思います。平均台で落ちちゃったのがすごい悔しかったです。特に良かったのは、ゆかのダブルを全カレで入れようと思っていて、練習とかもあんまりできなくてすごいギリギリまで悩んだんですけど、それを入れられて成功もできたのでそれが1番良かったかなって思います。1回生の時は手術しないと治らないという感じで。中学校の時に同じところを手術してたので、同じところをまた手術するのいやだなと思って。1回生の時に全カレで体操は辞めて、サポートとかに回ろうかなと思ってたんですけど、それが出られなくてすごい悔しくて。そこから手術してって感じなので、もう引退まで続ける予定です。今日の収穫は、大学生の中で1番大きい大会といえばこの全日本インカレなんですけど、来年も出たいと思っているので、点数が厳しかったり、あんまり思うように出なかったりしたので、この演技だったらこの点数しか出ないんだなっていう感覚が分かったのが収穫かなと思います。(平均台は応援席の近くだったが、声援は)入りの前は聞こえました。あとは集中していてちょっと聞こえなかったんですけど(笑)。いつも練習でも女子が少ないので男子は結構応援してくれているので、試合でもすごい応援してくれてありがたいですね。(8月12日分)きょうは種目別だったので、楽しく楽にって感じで。すごい楽しかったです。妹が同じ種目の決勝に出ていて、姉妹で出られるっていうのもあったんですけど、種目別の決勝に残ると思っていなかったので、それが1番楽しかったかなと思います。きょうの跳馬は予選の時よりも内容も良かったし、点数も良くて、予選の時は多分10番くらいだったんですけど、きょうは6番まで上がったので良かったかなと思います。大会通じて色々課題は見つかったんですけど、来年1年しかないのでそれに向けて、またこの大会に出て今年よりも良い結果が出せるように頑張っていけたらなと思っています。色んな大学の人からいっぱい応援してもらってたのでおもしろかったですね。本当に楽しかったです。ここまで復帰できるとは思っていなくて、できることをやった大会って感じだったので、今はこれをやりたいとか、こうしていきたいとかはあんまりなくて、だから楽しくできたっていうのが一番大きくて、収穫はモチベーションが上がった。それしかないですね。モチベーションがなかったわけではないですけど、出られたら良いなっていう大会で決勝まで残ったので、よくやったわって感じです(笑)。これからもっとやったらもっと上にいけるから、体育館もできたしやってみようかなっていう感じですね」
▼木本
「朝が早くて少し眠たかったが、試合になるとしっかり動けたかなと思う。ゆかがよくできた。反応が良くて、力も入り、着地まで止めにいける余裕もあった。つり輪も良かったが、点数にはあまりつながらなかった。あん馬は、最初は良かったけど失敗もしてしまい、思うようにはいかなかった。これまでにも大会には何度も出させてもらっているが、この大会は一番大きな大会なので少し緊張もした。でも、体育館が比較的小さかったので、落ち着いてできたと思う。(木村とも)声を掛け合ったりして、励まし合いができた。僚太さんが先にやってリズムを作ってくれるのでとてもやりやすかった。順番が最後だったゆかや、女子が終わった後は、スタンドからの声援もよく聞こえた。今回は個人での出場だったが、来年は関大のチームで団体戦に出場できたらいいなと思う」