◇第68回西日本学生体操選手権大会体操競技の部男子団体◇5月27日◇北九州市立総合体育館◇
[男子団体]
11位 関大 345.000
木村 73.950
山崎 65.450
西尾 66.050
木本 69.600
山本 63.500
九重 67.600
全日本インカレ出場を目指した大会だった。メンバーの調子も悪くなかった。しかし、男子団体総合の部では11位。ミスが相次ぎ、選手たちが悔しさをかみしめる中、団体最年長として、そしてエースとしてチームをけん引した木村僚太(商3)は「みんなで団体戦を意識して練習するのが今回少なかった」と冷静にこの結果を分析した。
滑り出しは悪くなかった。1種目目の鉄棒では全員が大きなミスなく終えたが、2種目目のゆかで歯車が狂い始める。「雰囲気自体は悪くなかったが、ミスが連鎖してしまった」と木村。続くあん馬でも、チームとして得点を伸ばせず、団体での全日本インカレ出場が手からすり抜けていった。
試合後のインタビューでは、課題や反省が選手たちの口から次々とこぼれ落ちた。「きょうすごい調子が良くて、良すぎて体が軽くて制御できなかった」(西尾仁=安全2)。チーム全体でも調子は悪くなかっただけに、重なった失敗には悔しさが強く残った。
関西インカレで種目別1位を獲得した鉄棒で再びその強さを見せつけ、ミスが続いたゆかでも悪い流れを断ち切るなど、名実共にエースにふさわしい活躍をした木村。あん馬では3度の落下があったものの、難度を上げた吊り輪も成功させ、跳馬でも着地を決めた。ずっと技の難度を抑えてきたが、「技を戻すことに関しては順調にきている」と手応えを口にした。
チームの半数は1年生。「失敗にならないようにするのがまだ足りない」(木本大晴=商1)、「全然自分の中では満足はいっていない」(山本大空=シス理1)、「体力不足」(九重宏海=文1)と、悔しさと課題を残しながら、初めての西日本インカレを味わった。また、今回の「ミスの連鎖」について、山崎雅春(商2)は「そういう時こそ成功できるようにしたい」と、決意を新たにした。
団体での出場はかなわなかったが、木村、木本、女子の永田晶子(政策3)が個人で全日本インカレ出場権を獲得した。次戦は勝利を目標とする総合関関戦。「きょうみたいな失敗はないようにしていきたい」(木村)。ホームである千里山の地で、待望の白星をつかむ。【文/写真:宮西美紅】
▼木村
「個人的にはあん馬だけですね。あん馬がぼろぼろやったんですけど、それ以外は結構調子が良かったです。関関戦と全日本インカレであん馬だけ修正していけば、思い通りの点数が取れるんじゃないかなという感じです。(あん馬は)自分でも訳が分からなくて、1回落ちていつもだったら修正できるんですけど、なんかできなくて、3回落ちて。その後の種目で立て直せたので、本当に今日はあん馬だけです。チームが結構ミスが多くて、もう全日本インカレとかそういう次元じゃなくてきょうはぼろぼろだったので、みんなで練習積んでいけたらなって。これからの課題ですね。(チームの最年長だったが)みんな仲いいんで、雰囲気自体はみんなで楽しく試合できたんじゃないかなと思います。(自分の)良かった種目は、ゆか、吊り輪、跳馬、鉄棒。平行棒とあん馬以外。鉄棒は1種目目で、最初は流れを作るのに変な緊張がかかっちゃうんですけど。鉄棒で流れ作れて、ゆかで前の方がミスが続いていたので、久しぶりにゆかでは緊張しました。結構ゆかはみんな得意で点数取れるんですけど、それで結構ミスが続いていたので、ここで決めないとちょっと…まずいかなという感じだったんですけど、ゆかはばっちり決まりました。あん馬の後の吊り輪も、あん馬で結構やる気が落ちていたんですけど、そこからの吊り輪で関西よりも難度を上げているところがあったんですけどそこも決めれて。あとは跳馬ですね。狙って着地決まったので、その4種目です。あん馬と平行棒以外は良かったです。平行棒はミスはなかったんですけど、いまいち技が決まるところが決まり切らなかったりして、ミスじゃなかったんですけど思った通りの演技じゃなかったですね。ラストだったので耐えれた方だと思います。今回、あん馬と吊り輪(の技の難度)を上げて、吊り輪は上手くいったんですけど、あん馬ですね。動きもきょうは全然悪くなくて、ちょっと分からないですね、きょうのは。あん馬ってすごい繊細っていうか…ちょっとずれたら落ちるっていう競技で。結構昔からあん馬でやらかす方なんですよ。まさにきょうです。指折りに入るくらいひどかったですね、きょうのあん馬は。あん馬の1発目に今回増やした技があるんですけど、それに入る前の技でカクッてずれちゃって落ちちゃって。ちょっとテンパりました。でもそこだけなので、あとは技の難度を上げていって。順調にはきてますね、技を戻すことに関しては。自分としては、あん馬があんな感じだったので、あん馬がちゃんとできていたら関西(インカレ)以上の点数が取れていたと思います。目標がとりあえず今は78点なので、関関戦で78点取れるように。あとはチームですね。雰囲気自体は悪くなかったんですけど、みんなミスが連鎖しちゃったので、ゆかとか。みんなで団体戦を意識して練習するのが今回少なかったので。みんながそろう機会が土曜日しかなくて、練習のスタートにいるのが今のチームで2、3人とか。みんなで回るっていうのを土曜日しかしていなくて、そこがきょうは出ちゃったんじゃないかなと思います。全日本インカレと関関戦ではきょうみたいな失敗はないようにしていきたいです」
▼西尾
「3ミスなので、自分的にはあんまりいい結果ではなかったですね。(1番悔しいポイントは)ゆかとあん馬ですね。いつもできていることなのでそれで失敗したのはちょっと痛いなと。(緊張は)なかったんですけど、ちょっといつもより調子が良くて、それでちょっと空回りしたかなって。きょうすごい調子が良くて、良すぎて体が軽くて制御できなかったかなって。チームとしては、あん馬とかやったら僕が1番手でミスしたんですけど、多分そういうのがきっかけでミスが続いたんじゃないかなと思うので、ちゃんと通さないといけないなと思いました。(ミスがあると)士気が下がっちゃうので、そういうのはあると思います。良かったのは跳馬はいつも通り良くて、鉄棒は着地止まったんで良かったと思います。(若いチームでは先輩という立場だが)引っ張っていきたいと思ってるんですけど、僕の実力が足りないので演技で示せないんですよ。だからもっと強くならないとなと思いました。去年は全員先輩だったので、今は下が見てるから自分がやらないとと思う。(ルーキーの多いチームになったが)来年が本当の勝負かなと思います。(木村)僚太さんが本当にずば抜けて強いので。(強化していきたいのは)あん馬。あん馬がよく分からないというか、こういうふうにやったらいいよとか言われても、あんまりピンとこないというか。他の種目とかだったら、ああ、こういう感じねっていうのがあるんですけど。難しいですね。体育館ができてみんな楽しく練習できているので、すごい練習しやすいです」
▼山崎
「ミスが多かったです。調子は悪くなかったんですけど、朝早い試合で、朝練がないのでそれも原因の1つかなと思います。全日本インカレの予選だから、関西より緊張しました。ゆかの1つ目で転けたのが1番悔しいけど、また来年頑張りたいです。(2年生になって若いチームを)引っ張らないといけないと思います。きょうはミス続きの時に失敗したので、そういう時こそ成功できるようにしたいです。東体育館ができてやる気が出てきました。できる前は移動が大変でした。(昨年の)けがの影響で体が戻っていないから、まず戻してから来年に向けて頑張りたいと思います」
▼木本
「結構失敗もあったので、今後も練習していって詰めれるところは詰めて、試合を意識した練習ができればなと思います。(良かった点は)関西インカレで失敗した鉄棒の着地とかがまとまったこと。失敗を最小限に留められたのでそれは良かったんですけど、失敗にならないようにするのがまだ足りないかなと思ったので、着地とかも結構転けてしまったし、最後の着地のところまでしっかり止めていけるようになれたらと思います。あん馬とかは緊張して力が入りすぎて、思い通りの演技ができなかったですね。試合の経験を積みつつ、絶対失敗しないというのは難しいと思うので、失敗してもチームとかでカバーできるくらいの失敗に留めるということも必要かなと思います」
▼山本
「めちゃくちゃミスが出た試合で、全然自分の中では満足はいっていないです。(1番悔しいポイントは)やっぱりあん馬ですかね。あん馬で2回も落ちて、そこからちょっと崩れたんで、そこが悔しいです。良かった点はないです。体力が足りないので、通しの練習を増やしていきたい」
▼九重
「緊張はしたんですけど、関西インカレは上から見るだけだったので、試合に出たいなあと思っていました。ゆかは2回も転けてしまってすごい申し訳なかったんですけど、楽しくやっていたからその後のあん馬もしっかりできました。ゆかだけですね、きょう悪かった点は。他は自分の中では結構良かったと思います。ゆかの調子は悪くなかったんですけど、体力不足ですかね。いつもあの大きなゆかじゃなくて一本道でやってるので、タイムが分からなくなりました。あと何秒残ってるのか、どれくらい急いだらいいのか分からなくなって、ペースがぐちゃぐちゃになりました。高校の時に、4、5種目失敗したひどい試合とかもあって、その時は暗い顔で沈んでたんですけど、それじゃ成功しないって学んだので、ずっと笑っていてあん馬で切り替えられましたね。(次の試合では)ペースを調整して、落ち着いて6種目回れたらいいなあと思います」