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【社会】

不同意性交罪 是非を議論へ 法務省、性犯罪検討会

 法務省は三十一日、性犯罪を厳罰化した二〇一七年施行の改正刑法について、見直しが必要かどうかを議論する検討会を省内に立ち上げた。被害者に対する「暴行・脅迫」行為がなくても、同意がない性交だと認識できれば処罰する「不同意性交罪」の是非などを議論する見通し。法改正が必要と判断すれば、法相が法制審議会に諮問する。

 改正刑法の付則では、施行後三年をめどに性犯罪に関する施策の在り方を検討するとしていた。検討会は刑法の専門家、弁護士、被害者支援団体の代表らで構成する。

 法務省は一八年四月、性犯罪の実態を調査するワーキンググループを設置。どのような性犯罪が実際に起きているかの調査結果や、専門家や被害者らへのヒアリング内容をまとめた報告書を三十一日公表した。

 ヒアリングでは、加害者は、自分の地位などを利用して犯行に及び、暴行・脅迫を要しない場合があるとの指摘が出た一方、同意と不同意の境界を見分けるのは難しいとの意見があった。障害者への性犯罪処罰規定の創設や、公訴時効延長も課題に挙げられており、検討会では報告書を参考に議論する。

 改正刑法は性犯罪を厳罰化した一方、強制性交罪の暴行・脅迫要件を維持。この要件を満たさないとする無罪判決が相次いでおり、法改正を求める声が上がっている。

 

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