白色申告と青色申告の違いって?
弥生の個人事業主用クラウド会計ソフトには「やよいの白色申告オンライン」と「やよいの青色申告オンライン」の2種類が存在します。
「やよいの白色申告オンライン」
「やよいの青色申告オンライン」
これら2つのサービスはそれぞれプランによってできることに差はありますし、料金も違うわけですが、サービスの構造は同じです。
具体的に言えば、白色申告オンラインの「フリープラン」と青色申告オンラインの「セルフプラン」、またそれぞれの「ベーシックプラン」と「トータルプラン」はできる機能が同じです。
じゃあ白色申告オンラインと青色申告オンラインとでは何が違うの?
そのままではありますが、白色申告に対応しているのか、青色申告に対応しているのかが大きく違います!
2つとも名前は聞いたことあるけど、どう違うか分からないな。どう違うか分かればよりどちらかを選択しやすくなると思うんだけど...
ちく
じゃあ、まずは白色申告と青色申告の違いについて説明するね。
白色申告・青色申告ってどう違うの?
まず、この二つの最大の違いは自分の収入から控除される金額です。
上図のように白色申告では1種類、青色申告では2種類控除されるパターンがあります。
簡単に言うと、自分が稼いだ収入から経費と控除額を差し引いたお金が所得となり、その所得から税金が引かれます。
つまり、控除額が大きいほど見かけ上の所得が減り、かかる税金が減るため、節税になるわけです。
ちく
そうだね。僕もそうしているけど、青色申告の方が絶対お得だと思うよ。
次の二つの違いは、帳簿のつけ方です。
帳簿のつけ方には、「単式簿記による記帳」と「複式簿記による記帳」と2種類あります。
一応説明しておくと、
単式簿記:取引を1つの勘定科目に絞って記載する方法
複式簿記:取引を複数の科目で記載する方法
です。
一例を挙げるとすると、
2/22に10,000円の商品を売り上げて、現金でもらった場合、
単式簿記による記帳では、
2月22日 収入 商品売上 10,000円となりますが、
複式簿記による記帳では、
2月22日 現金10,000円 / 商品売上 10,000円となります。
単式簿記に比べ、複式簿記は複数の科目で記載する必要があるため、より複雑になりやすく、難しいというイメージをもたれがちです。
ちく
青色申告でも10万円の控除でよければ、単式簿記による記帳でも大丈夫だよ!
でもやっぱりできることなら65万円の控除を権利を獲得したいよね。
さらに、青色申告にすれば以下の権利も獲得できます。
青色申告にするメリット
メリット①最大65万円の控除が受けられる
上記でも少し触れましたが、青色申告でさらに複式簿記による記帳で準備をすれば、最大65万円の控除が受けられます。
ちく
これは一例にすぎないけど、このメリットだけでも青色申告にする価値はあると思うね。
しかし、もし確定申告締切日である3/15に間に合わず申告した場合は、控除額が10万円になってしまうので、注意が必要です。
(注)2020年度の確定申告からは、電子申告での確定申告又は電子帳簿保存をしておかないと控除額が65万円になりません。(55万円になります。)
メリット②:青色事業専従者の給与も経費にできる
事前に税務署へ『青色事業専従者給与に関する届出書』を届け出る必要はありますが、提出すれば一緒に生活する15歳以上の家族に支払う給与を全額経費にできます。
白色申告でも経費には出来ますが、配偶者なら年間最大86万円、その他親族なら年間最大50万円と定められているため、効果は大きいです。
年間86万円というと月額約7,2000円か。青色申告ならその倍以上は経費にできそうだな。
しかし、不動産所得等事業所得以外でのみで利益を得ている個人事業主は対象外のため注意が必要です。
メリット③:純損失の繰越しと繰戻しができる
青色申告では、事業で損失を出した際、翌年以降3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。
また、前年も青色申告をしている場合は、損失額を前年分の所得金額に繰り戻して、所得税の還付を受けることが可能です。
メリット④:減価償却の特例が受けられる
青色申告では、パソコン等の固定資産30万円以下のものを一括で経費に計上できます。(ただし取得価格の合計が300万円以下まで)
これが白色申告だと10万円以上の固定資産は減価償却しなければならず、一度に経費として計上することができません。
一括償却できた方が、通常の減価償却より各年の損金計上額が大きくなるため、結果として所得を少なくする効果があります。
故に青色申告の方が、所得金額を減らすことができるため、結果として節税につながります!
メリット⑤:貸倒引当金の計上ができる
事業所得を得ている青色申告者は、「貸倒引当金」を必要経費として計上することができます。
貸倒れとは、取引先の倒産などの理由で、債権(売掛金や受取手形など)を回収できなくなることを言います。
そして、その貸倒損失によるリスクに備えて、発生する損失の金額を予想して、一定の率により計算した見積額をあらかじめ計上することを「貸倒引当金」と呼びます。
企業会計原則の一つに、費用と収益を対応させなければならないというものがあり、正確な期間損益を計算するために「貸倒引当金」は存在します。
そのため、無事にお金を回収できた場合は、次年度の所得として組み込む必要があります。
貸倒引当金の繰入額の計算方法は回収できない可能性が極めて高い場合のみに使用し計算も複雑な「個別評価」と一般的な債権で使用する「一括評価」の2種類あり、白色申告では「個別評価」による繰入れしかできないのに対し、青色申告は両方できます。
つまり普通の債権等で貸倒引当金の計上ができるのは青色申告のみだということです。
メリット⑥家事関連費を経費にできる
青色申告をすれば、自宅を仕事で使う場合、電気代等の家事関連費を仕事で使った分のみ経費に計上できます。
家事関連費としては大体以下のものを指します。
正直仕事で使った分のみを計算する方法はなく、自己申告になってはしまいますが、税務署から聞かれても説明できるぐらいの割合で計上しておくべきだと思います。
例えば、電気代であれば、(家で電気を使って仕事をしている時間/家で電気を使っている時間)の割合で計上するとかです。
ちく
そうだよ。最近Youtubeで人気の税理士「大河内薫」さんも白色申告の選択肢はないって言っているし、やっぱ青色申告一択でしょう。
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青色申告のデメリットは?
でも青色申告で65万円の控除を受けるには、複式簿記による記帳でないとダメなんだよね?簿記の知識がないから複式簿記で記帳できる気しないなぁ。
ちく
心配しないで!会計ソフトを使えば、会計知識なんて必要ないから。
以下では、クラウド会計ソフト「やよいの青色申告オンライン」を紹介していきますが、こちらを使用すればミスなく簡単に確定申告を終えることができます。
理由に関しても詳しくは以下で話していきますが、簡単にいうと
①操作が簡単で分かりやすく、また取引データの自動仕訳もしてくれる。
②初期設定等で困っても、担当者にメール・チャット・電話・画面共有のあらゆる方法で解決できる。
です。
ちく
そうだね。でもその届出に必要な書類も5分ぐらいあれば無料でできちゃうし、後は税務署に送付すればいいだけだから平日に仕事を休む必要もないよ。詳しくは下記の記事を参考にしてほしい。
開業届を出した方でも同様の方法で、「青色申告承認申請書」を作成することができます。
じゃあもう会計ソフトを使えば、白色申告をする必要が全くないってことだね。
ちく
そうだね。最後に青色申告と白色申告のメリット・デメリットを図でまとめてみるよ。
やよいの青色申告オンラインの料金プランは?
先ほども紹介しましたが、改めてやよいの青色申告オンラインの有料プランは以下の3つです。
※はキャンペーン期間中の料金
以下では、それぞれのプランについてもう少し説明していきます。
プラン①:セルフプラン
やよいの青色申告オンラインの有料プランにおいて、一番安いプランがこのセルフプランです。
このプランの最大の特徴は、初年度が無料だということです。
それでいて、このプランでは日々の取引の仕訳作業から確定申告完了に至るまで、確定申告に必要なことは問題なくできます。
また、仕訳データを利用して、取引の発生状況や損益の推移等を見える化できる経営レポートも作成可能です。
さらに来年以降65万円の控除を受けるために必要になる電子申告に関わるe-Taxとの連携も簡単に行えます。
ただ、このプランではメールや電話等のサポートが一切受けられません。
なので、初めて会計ソフトを使う方や会計知識に疎い方には恐らく厳しいプランだと思います。
ですが、個人事業主が使う会計ソフトにおいて、弥生が一番高いシェアを誇っているため、もしかしたら身近にやよい系の会計ソフトユーザーがいて、やり方を教えてもらえるかもしれません。
また、プランのアップグレードは簡単にかつすぐ行え、さらに今なら初年度が無料であることから、やよいの青色申告オンラインの挙動に慣れたい方にもおススメです。
よってセルフプランをおススメしたいのは以下の方になります。
・会計知識がそれなりにあり、安く確定申告を済ませたい人
・身近にやよい系の会計ソフトユーザーがいて、やり方を教えてもらえる人
・やよいの青色申告オンラインに慣れたい人
プラン②:ベーシックプラン
やよいの青色申告オンラインの有料プランにおいて、私が最もおススメしたいのがこのベーシックプランです。
このプランでは、できる機能はセルフプランと何も変わりませんが、チャットやメール、電話等あらゆるサポートを受けることができます。
故に、会計ソフトを使うのが初めての方や会計知識に疎い方でも安心して使うことができます!
特にこの料金で電話や画面共有サービスが受けられるのはこのソフトぐらいなので、電話で聞きたい方や、画面上で直接教えてもらいたい方にはおススメです。
よってベーシックプランをおススメしたいのは以下の方になります。
・会計ソフトを使ったことがない人
・確定申告だけを簡単に済ませたい人
・電話や画面共有サービスを安く使いたい人
プラン③:トータルプラン
やよいの青色申告オンラインの有料プランにおいて、一番高いグレードなのがこのトータルプランです。
このプランではベーシックプランでできることの他に、仕訳の相談や経理業務の相談等、やよいの青色申告オンラインとは直接関わりはない会計業務に関する相談もすることができます。
なので、会計業務に関して何から始めていいかも分からない人にはおススメです。
ただ、他のプランに比べ、お金がかかるため、ベーシックプランでも手に負えない方が使うといいかなと思います。
よってトータルプランをおススメしたいのは以下の方になります。
・会計業務に関して何から始めていいかも分からない人
・ベーシックプランでも手に負えない人
自分が今どの位置にいるかで、最適なプランが異なりますので、是非上記を参考にご自身のプランを選択してください。
やよいの青色申告オンラインのプラン別できること
続いては、上記よりもさらに具体的にやよいの青色申告オンラインのプラン別できることを紹介していきます。
セルフ以上のプラン(有料全プラン)でできること
できること①:銀行口座・クレジットカード等の同期
やよいの青色申告オンラインでは、インストール型よりは多くないものの、数多くの種類の銀行口座、クレジットカードと同期し、お金の出入りを把握することができます。
また、銀行口座やクレジットカードだけでなく、モバイルSuica等の電子マネーやAirレジ等のposレジアプリとも連携できます。
できること②:スマート取引取込
やよいの青色申告オンラインでは、上記にあるように銀行口座やクレジットカードを同期させると、お金の出入りを把握できるだけでなく、自動で記帳が行われ、勘定項目等が正しいかをチェックするだけになります。
よって、今まで伝票の手入力等でかかっていた時間が大幅に削減されますし、転記ミスもなくなります。
しかも、使い始めはソフトに搭載しているAIも学習不足で、仕訳のルールを設定しないと仕訳のチェックや修正に少し時間がかかりそうですが、使い続けるとどんどんAIの精度も上がっていくため、やることはもう同期された仕訳があっているかを確認し、登録するだけになります。
また、領収書やレシートであってもスキャナーやスマホアプリを使うことで、自動で仕訳けることが可能です。
できること③:確定申告書の作成・出力
会計ソフトを使う理由の中で最も多いのが確定申告だと思います。
確定申告が初めての方は、「確定申告って難しい」というイメージがあると思いますが、やよいの青色申告オンラインを使えば上図のワークフローに沿って進めていくだけで、自動で確定申告書が出来上がり、また出力もできます。
またやよいの青色申告オンラインではe-Taxと簡単に連動できる「確定申告e-Taxモジュール」というものが用意されているため、他のクラウドサービスでは少しめんどくさいe-Taxを使った電子申告のセッティングをより簡単に行うことができます。
ただ、e-Taxを使用するためには、「マイナンバーカード」と「ICカードリーダー/ライター」が必要です。