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長野

北アの降雪量、今世紀末に極端化 県環境保全研究所など予測

 県環境保全研究所や気象研究所などは、地球温暖化が進行すれば厳冬期(12~2月)の北アルプスで今世紀末には降雪量が年によって極端化するとの研究結果をまとめた。こうした状況が進むと、高山帯の生態系や水源管理に影響が出る恐れがあるという。

 調査は今世紀末の平均気温が現在よりも4度上昇すると仮定した。温暖化で海面の水温が上昇して水蒸気量が多くなり、そこに大陸から冷たい季節風が吹くと雪を降らせる雲が発生しやすくなる。これに対し、大陸の気温が上昇した年は冬の季節風が弱まり、降雪量が減少すると予測した。

 県環境保全研究所の浜田崇主任研究員は、調査結果を踏まえ、北アに生息するライチョウや高山植物などの生態系に影響を与えるほか、雪の少ない年には水の確保が困難になると指摘。「調査結果を参考に水源の管理や生態系の保全策を検討してほしい」と呼び掛けている。

 (今坂直暉)

 

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