【器械体操】横山昇汰主将インタビュー

今春、常設の器械体操場が完備された関西大学東体育館が完成し、取り巻く環境が大きく変わった器械体操部。22日に競技が行われる関西学生選手権大会へ向け、新しい環境で活動するチームについて、横山昇汰主将(経4)に話を伺いました。厳しい環境で練習してきた昨年から、部はどのように変わったのでしょうか。そして今、どのような目標に向かっているのでしょうか。

-今のチームの状態はいかがですか?
横山 新体育館(関西大学東体育館)ができたということで、目標の関関戦勝利と全日本インカレ団体で出場に向けてチームのモチベーションはかなり上がってきているかなと思います。

-新しい東体育館には常設の練習場ができ、随分環境が変わりました。
横山 今までは昔の体育館もピットっていう環境がなかったので、練習しやすい環境というか、このマットがあることで新しい技に取り組むというか、そういう面で質の高い練習ができるかなと思います。


△東体育館器械体操練習場

-練習への取り組み方も変わりましたか?
横山 そうですね。やっぱりチャレンジが毎日できる環境にあるので、それが1番大きいですね。

-昨年度を振り返っていかがですか?
横山 チームのレベル的には、かなりできる人もいればそんなにレベルは高くないって人も。レベルが高い人が少ないチームだったけど、今年はだいぶレベル高い人がそろってるので、昨年よりも全体的に点数が上がるんじゃないかなと思います。

-それは練習が変わったからですか?
横山 練習環境もそうですけど、レベル高い人が多いことによって、これからレベルアップしていく人にも教えるというか。環境と人がそろっているので、練習内容もみんなにとって質がいいんじゃないかなと思います。

-練習環境以外で変わったことはありますか?
横山 と言ったら、部員のモチベーションが1番かな。体育館ができるまでは好ましくないというか、満足できない環境だったので。前は6種目あるうちの3種目しかできないっていう状態の中でやってたんですけど、それが(今は)週5回の練習で全部不備なく使える。部員のモチベーションが上がるということに繋がるので。練習環境以外で変わったことは部員のモチベーションが上がったことだと思います。

-それはすごく感じますか?
横山 感じますね。体育館できてまだ2~3週間(取材は4月7日)だけど、みんなの動きが違うというか。雰囲気自体も変わりましたね。前は『こいつ上手いのに身入ってないな』とか思うこともあったけど、そういうのもなくなって、それぞれがレベルの高い練習ができてるっていうふうに感じましたね。

-主将の目から見てそう感じる
横山 うん、そう感じた、かな。一応周りをよく見るようにしてるので(笑)。前の環境の中でも頑張ろうとはしていたんですけど。上手い子たちにとっては、不備のある環境でも最大限モチベーションを発揮するっていうのは大変だったのかなと思って。そのレベルの子たちに合わせた環境があるっていうのはめっちゃいいと思いますね。


△東体育館完成前の大学内での練習風景。男子ではあん馬、平行棒、床の3種目の練習に限られていた

-主将になった時の心境はいかがでしたか?
横山 正直、不安しかなかったというか…。もともとそんな、引っ張っていくというか人に指示して、リーダーシップを発揮するとかそういうタイプではなかったので。どう引っ張っていこうと思った時に、ああ、じゃあ自分の練習態度だったり、熱心な姿勢を見せるしかないなと思って。そういうところを頑張っていこうって意気込んだかな、当時は。

-横山さんが主将になってから、器械体操部はどのように変わりましたか?
横山 部活の雰囲気的には…いいことか分からんけど(笑)、昔の主将の時は割とあれこれやらせるって感じだったけど、僕は個々がしっかりしてほしいっていうことで練習内容まではあまり干渉しないっていうふうに考えてて。前と比較するとちょっと変わったことかな。

-練習内容というのはどのように決まるのですか?
横山 大体はアップから入って、そこから最後までほぼフリー。好きなように練習する。前は、アップはこの時間まで、こっからここまではずっと練習して、ダウンは練習後、みたいな感じで。それが普通だったけど、あえてアップの時間というのを決めなかったですね、僕は。すぐ練習入る人もいれば、長くアップ取る人もいる。その方が自分に合った練習ができると思ったので。どっちかっていうと、強制的にやらされる環境じゃなくて、自発的にできる環境を作りたいというのがあって。

-効果は感じますか?
横山 その中でちゃんとけじめつけてできたら効果はあると思うけど、正直言ったら練習環境が悪い時はけじめがついてないと思うこともあったっちゃあった。

-厳しい環境の中、主将としてチームをまとめるというのは、なかなか大変だったと思いますが。
横山 それはちょっと思う(笑)。やっぱモチベーションが1番あれだったかなあ…。あまり練習できない中でどれだけモチベーションを保つかがちょっと大変だったというか。達成できた気もあまりしなかったですね、正直言うと。

-目標は関関戦勝利と全日本インカレ団体出場ということですが。
横山 毎年言ってるのが関関戦勝利ってことだったので、それは絶対達成したいっていうのがあるから変わらず思ってたんですけど、それに加えて練習環境もできる、レベル高い子も集まるっていうので、みんなで言ってるのが全日本インカレ団体出場なので、今年に入ってから大きな目標が1個プラスされました。


△昨年の総合関関戦での横山主将

-男子は昨年試合に出ていたメンバーの多くが今年も在学していますね。
横山 これからの話だけど、だいぶレベル高い子が現時点で3、4人いるってことで、それが全員メンバーに入ってきたら変わりますね、男子も。

-部内での競争が激しくなる?
横山 なると思いますね。だいぶレベル高い子がメンバー争いをするっていう状況にもなるかもしれない。

-チームの長所は?
横山 長所はね、多分、他の大学にはない一体感だとは思いますね。

-一体感?
横山 一体感は多分、どこの大学よりもあると思います。仲いいというか、なんていうかな…一体感。どういうふうに言ったらいいか分からんけど、試合とかでも一番応援激しいとか、盛り上がってるのは関大だなっていつも思うんですけど、そういうところで一体感あるなって感じますね。一体感は強みかな。

-きつい時に応援が聞こえたり。
横山 どこ行っても多分、一番激しい応援してるのは関大だと思いますね。

-逆に課題や苦労していることはありますか?
横山 レベル高い人もいる中で、初心者で入ってきてくれる子もいて、そのレベルの差が一番課題かな。初心者で入ってきた子がどういうふうに思っているか分からないですけど、そこの差を埋めれたらいいなって思いますね、極力。それが課題ですかね。

-そのために気を付けていることはありますか?
横山 部活全体が教えるということを積極的にやってくれているので、それはもう解消されていくんじゃないかなって思いますね。誰にでも教えられる環境を作っていく、これからも続けていくってことかな。

-直近の大会は関西学生選手権ですが、そこへ向けてはいかがですか?
横山 だいぶ有力なメンバーがそろっているので、その人たちの練習を見ても気合の入った練習をしているように見えるので、そこに関しては問題ないと思うんですけど。あとはもうちょっとメンバーの人たち同士が一緒になって練習するっていうのをまだできてないので、一緒に同じ器具に入って練習するっていうことで士気を高める必要もあるので、それがこれからしていくことですかね。間近ですけど。

-関西学生選手権での目標を教えてください。
横山 体育館ができて初めての大会なので、どれだけ個々が実力を発揮できるかっていうのが1番かな。その試合の点数も次の西日本学生の団体を決めるもとになるので。


横山昇汰(よこやま・しょうた)
1996年(平8)6月23日生まれ、愛知県立松蔭高等学校出身。170㌢、62㌔。趣味はYouTubeを見ること。

【取材・構成/宮西美紅】