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【コラム 撃戦記】

タイ人レフェリーのサラサスさん リング生活54年に幕

2019年4月16日 紙面から

 日本ボクシングコミッション(JBC)のタイ人レフェリー、ウクリット・サラサスさん(76)が3月13日に東京・後楽園ホールで行われた女子ダブルタイトル戦を最後に引退した。

 ウクリットさんの祖父はタイで経済大臣を務め、父ソムアン・サラサスさんは、ゾウの「はな子」をタイから日本に贈った実業家として知られている。ウクリットさんは大学生の時に来日し、日本の女性と結婚。今も日本在住だ。タイでムエタイと国際式のレフェリーライセンスを取得。タイの国技・ムエタイが日本でキックボクシングの名でブームになると1966年からレフェリーを務めた。

 私も現役時代、キックで全試合でレフェリーを務めてもらったが「キックを含めてレフェリー、ジャッジを54年です」とウクリットさん。心残りはJBCの世界戦だそうで「レフェリー、ジャッジに一度も声がかからなかった。やはりタイ人だからでしょうね…」と残念がった。

 ウクリットさんはレフェリングではクリンチに割って入った際に選手の左フックを受けてダウンするなど前代未聞のアクシデントも記憶に刻まれている。いつまでもお元気で。 (格闘技評論家)

 

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