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【コラム 撃戦記】

ウィリー・ウィリアムスさんをしのぶ

2019年6月12日 紙面から

アントニオ猪木戦で来日したウィリー・ウィリアムス

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 米国の極真会館支部から来日、プロレスラーのアントニオ猪木と戦った空手家ウィリー・ウィリアムスが亡くなった。私がウィリーと初めて会ったのは、極真の第1回世界大会(1975年)の前年。視察を兼ねて訪れた大山茂師範の道場で紹介された。

 長身で頭髪をドレッドヘアに編んだ精悍(せいかん)でハンサムな印象だった。そのウィリーが世界大会で大暴れ。その5年後には、アントニオ猪木さんと戦うことになったのだから驚いた。

 私は極真時代は茂師範にかわいがられていたこともあり、師範からいろいろ聞かされていた。猪木戦に引き分け、日本で格闘家として一躍知名度を上げたウィリーだったが、師範の「米国では誰も知らない。普段は園児を送迎するバスの運転手だよ」にはちょっとガッカリだった。

 師範はその後、ウィリーとともに極真を離れ「USA大山空手」を創設。2人は何度も来日してあちこちのリングで異種格闘技戦を繰り広げた。その茂師範も3年前に79歳で逝った。ウィリーの死は一世を風靡(ふうび)した舞台の緞帳(どんちょう)を下ろした思いだ。 (格闘技評論家)

 

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