厚労省から受けたこの提案を重視し、方針を決定した。単なる有識者やコメンテーターが作成したものじゃない。国がこの書類を持って大阪府と兵庫県にわざわざ説明に来て提案された。重要な事実と判断して外に出した。多くのコメンテーターはこんな数字なる訳ないと思うだろうが、僕は無視できない。
その小池都知事も、もっと前に都民へ強く注意喚起をしておくべきだった。これは、3月19日の政府専門家会合で示されたデータだ。
「感染源が未知の患者数の推移」であるが、これを見ると、東京と大阪で急激に増加しており、危ないと読める。実際、吉村洋文大阪府知事は、3月20〜22日の3連休前に兵庫・大阪間の往来自粛を呼びかけている。
そのときの根拠として、吉村知事はTwitterで厚労省から説明を受けたことを明かしている(https://twitter.com/hiroyoshimura/status/1240892069507256320)。
厚労省から受けたこの提案を重視し、方針を決定した。単なる有識者やコメンテーターが作成したものじゃない。国がこの書類を持って大阪府と兵庫県にわざわざ説明に来て提案された。重要な事実と判断して外に出した。多くのコメンテーターはこんな数字なる訳ないと思うだろうが、僕は無視できない。
大阪府が厚労省から説明を受けているのであれば、東京都も同じであるはずだ。しかし小池都知事は、3月20〜22日の3連休前には何もしなかった。いくら東京五輪の延期に手間を取られていたとしても、これは重大なミスである。
因果関係はわからないが、結果として、感染者数は急激に増加している。下図は、これまで筆者が示してきた患者数推移予測の図を更新したものだ。従来の政策が有効であるとの前提で立てた先週までの予測は範囲内におさまっていたものの、今では大きく外れており、終息のメドは立たなくなっている。まったく違うフェーズに入っていると言わざるを得ない。
筆者はいろいろな場で「いつまでにこの騒ぎは収まるか」と聞かれて、「東京と大阪が大丈夫なら○○までに」などと答えてきたが、その前提が崩れたいま、当面確たることは言いにくくなった。