試合終了間際の失点が続くサンガ。攻守ともに課題は山積みだ(4月21日、西京極)

試合終了間際の失点が続くサンガ。攻守ともに課題は山積みだ(4月21日、西京極)

<記者席コラム>サンガ考

 京都サンガがかつてないほどの低迷にあえいでいる。J2で最下位に落ち、布部監督は退任。ホームゲームの観客数も伸びず、京都スタジアム建設の機運に水を差しかねない。J1にいたころには考えられない事態だ。

 要因はさまざま言われる。戦術、采配、選手層、編成、強化費の削減…。どれも絡んでいるのだろうが、トップチームだけの問題でないような気がする。

 昨年から今年にかけて、記者の知る限り、クラブのスタッフが4人退職した。いずれも広報や営業などで10年前後勤務してきた人たち。去り際、このクラブに漂う閉そく感を口にしていた。重労働の割に低賃金とされるプロスポーツ業界は人材の流動性が激しいが、ここまで立て続けに辞めるのは記憶にない。

 私たちが目にするトップチームは、クラブの大切なシンボルでありこそすれ、全てではない。例えるなら、遠くからでも見渡せる城の天守閣。けれども石垣(社員)が崩れていては傾き、武将(選手)は存分に働けない。

 問われているのは、クラブの総合力。つかさどる「城主」の責任は重い。