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(動物の鳴き声)
♪~
フフッ。
なっ。ああ…。
♪~
う~ん!フフフフ…。
(噴火音)
(何かが落下する音)
おっ… うん?
♪~
おお~!うわ~!
時に音楽は 人の喜びを大きく楽しく盛り上げてくれます。
♪~
♪「ウホッホ~ ホッホ」
あっ!
ああ…。
♪~(歌声)
時に音楽は人の悲しみに寄り添ってくれます。
時に音楽は折れかけた心に力を与えてくれます。
♪~
時に音楽は現実逃避の手助けをしてくれます。
♪~
時に音楽は 人生を懸けた一大事に力強い武器となってくれます。
どうしたの?
♪~
♪~
あっ…。
えっと… 私 彼氏いるんだけど。
えっ?言ってなかったっけ? ごめん。
これからも いい友達で… ねっ?
いや…。
(笑い声)
大丈夫 大丈夫 大丈夫!バイバ~イ。
元気出して。
♪~
時は昭和。 東京オリンピックが迫る中一人の作曲家に大きな責任が課せられていました。
(音)♪「さくら さくら」
♪「やよいの空は 見わたすかぎり」
♪「かすみか雲か 匂いぞ出ずる」
♪「いざや いざや 見にゆかん」
(拍手と歓声)
(アナウンサー)「オリンピック発祥の地ギリシャを出発した聖火リレーは今 まさに開催の地東京の国立競技場に向かっております」。
(教頭)古山裕一先生が我が福島信夫小学校を卒業されたのは今から 40と2年前になります。 以来…。
先生 早く!
分がってる! 教頭先生もう少し お話 延ばして下さい。
(教頭)うん…。 あ~ 以来数え切れないぐらいの曲を書きうちの校歌も作って頂きました。
先生 早く! 始まってるよ!
(先生)もう… くそっ!(テレビをたたく音)
(歓声)「最後の聖火ランナー 坂井義則君が平和への祈りを込め力強く走っております」。
(ラジオ)「戦後19年日本復興のシンボルである式典が今 まさに 始まろうとしています」。
(鉄男)あの裕一が…いじめられっ子の裕一がついにやりましたよ 先生。
(拍手と歓声)
(裕一)はあ…。
大丈夫… 大丈夫…。
きっと うまくいく…。
(達磨)東京オリンピックはほかのオリンピックと違いますぞ。
悲惨な戦争 廃虚と化した日本もう これで終わったと世界に思われた日本がそこから力を合わせて驚異の復興を遂げた姿を「どうだ!」 世界に宣言する。
先生は その… その大事な開会式の音楽を書くわけですからこれは 責任は重大ですぞ~。
どうか 国民に 勇気と希望を与え世界に恥じない音楽を!
♪~
あっ…。
まずいな… 開会式 始まっちゃう。
上の階にはいません。トイレも見た?
はい。 個室も全て。控え室は全部見たしいるとしたら トイレなんだけど…。あっ。
地下に関係者だけが使えるトイレが。そこよ!
あと何分?7分です。
♪~
ここです。ありがとう。
裕一さん!
大丈夫! あなたの曲はすばらしいんだから!いや でも…。
ほら…。ちょっと… ちょっと待って…。
すぐそこよ。
開会式 見たくないの?
あなたの曲を 世界中の人が聴くのよ。ずっと かなえたかった夢でしょ?
うん。よし… 行こう。
あ~ 駄目だ やっぱり!えっ!? もう!駄目だ…。
駄目だって。もう!
駄目! ちょっと待って!ちょっと… もう!
手伝って。ちょっと…。あ~ いたた…。
ちょっと待って! ちょっと 心の準備…。痛い 痛い!
あっ!
裕一さん。
裕一さん!はい。
あと2分 切りました!
先生。
自分は 長崎の出身であります。
親や兄弟 親戚 みんな死んだとです。
生きる希望ば与えてくれたとは先生の「長崎の鐘」です。
先生の曲は 人の心ば励まし応援してくれます。
先生の晴れ舞台ですけんどうか… どうか 会場で!
どうする?
行こう。
ありがとう。
♪~
よか夫婦ですね。
おしどり夫婦って感じとは違うんですけどね フフッ。
いよいよね。
ああ。
♪~
この夫婦が いかにしてこのような二人になったのかそこには 長い長い話がありました。
(拍手と歓声)
(産声)
全ては 福島の老舗呉服屋さんから始まりました。
(三郎)うお~!
生まれだ! 生まれだ!
生まれだべ~! ハハハハハ!
それにしても 旦那さんどごさ行ったのかしらね?
(まさ)フフッ。
音楽が奏でる人生の物語「エール」。
始まり 始まり~!
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
♪「朝も昼も夜もずっと そこにある」
♪「暗闇にほら響け 一番星」
♪「愛する人よ 親愛なる友よ」
♪「星影に響くはエール」