★首相・安倍晋三は28日の会見で「文化芸術スポーツは大変重要であると思っております。この灯が1度消えてしまっては、復活するのは大変だということは重々承知しております」とする一方、「損失を補填(ほてん)する形で、税金で補償するのはなかなか難しい。そうではない補償がないかということを今考えているところでございます」と一部給付金に含みを持たせたものの冷たく応じた。

★イベントなどエンターテインメントは国家の危機には最初に切り捨てられるという判断なのだろうが、オリンピックを最優先した結果ではないのか。アマチュアスポーツを絶対とし、エンタメは興行だとか、なくていいもの、後回しされるべきものとの認識ではないか。そうでないなら、オリンピック(五輪)組織委員会と東京都が仕切るべき国際五輪委員会のバッハ会長と電話会談を首相が行う理屈が立たない。債務保証としての首相がその役割を担ったと世界は見たのではないか。

★文化庁も冷たい。27日、文化庁長官・宮田亮平が「文化芸術に関わる全ての皆様へ」と題したメッセージを公開。イベント中止などの協力を感謝するとともに「イベントの中止、延期により、活動の場を失い、つらい思いをされている方も多くいらっしゃると思います。日々、鍛錬を重ね、入念な準備をしてきたものを中止にするというのは、いかほどの苦渋の選択であったのか、はかり知れません」と続け、「日本の文化の灯を消してはなりません。文化庁長官として先頭に立ってこれまで以上に文化芸術への支援を行っていきたい」とつづり「明けない夜はありません。いまこそ私たちの文化の力を信じ、共に前に進みましょう」と結んでいる。支援の具体策も何もない。政府は知恵もなければ文化もないか。(K)※敬称略