いま流行のダウンサイジングターボはオイルに注意! 不具合を避けるための「SN PLUS」規格の重要性とは

いま流行のダウンサイジングターボはオイルに注意! 不具合を避けるための「SN PLUS」規格の重要性とは

タイミングチェーンの伸びによる不具合を防止!

 詳しい方なら、オイルの規格についてご存じだろう。SMやSNなど、頭にSが付いて、ふた文字目がどんどんと進んで進化してきた。現在はSNなのだが、SN PLUSというのがある。2018年に登場したものなのだが、PLUSが付くというのは今までないもので、じつは急きょ設定したという事情があるのだ。

 そのカギとなるのがLSPI(ロー・スピード・プレ・イグニッション)と呼ばれる現象で、その名のとおり、低速で異常着火してしまうもの。最悪の場合、ピストンの破損なども発生する可能性がある。

 原因はタイミングチェーンの伸びで、テンショナーの調整範囲を超える量となって不具合が起こる。ポイントは欧米のダウンサイジングの直噴エンジンで起こっているということで、チェーンそのものに問題があるわけではなく、ススが発生しやすく、スラッジでオイルが汚れやすいというのが遠因とされている。この対策として急きょ、登場したのがSN PLUSという規格なのだ。

エンジンオイルの新規格「SN PLUS」とは

 欧米と紹介したが、日本車でも発生している可能性は高く、問題化しないのはセンサーで点火時期を調整してしまうから(その分、パワーや燃費は落ちる)。また現状ではピストン形状などの対策に力を入れてもいる。一方、海外では大きく調整することは燃費基準などで許されていないので、調整幅が狭く、トラブルとなって表に出てきている。

 とくに欧州車のダウンサイジングの直噴エンジンが問題で、対策としてはSN PLUSを使用するか、対策用の添加剤を入れる。一番良いのはディーラーで指定オイルを使って交換することだろう。たとえばVWではかなりシビアな独自規格を設定していて、これを使う以外にあり得ないというような状況だ。くれぐれも安いオイルを長く使うとか、エンジンフィールに違和感があってもそのまま乗り続けるようなことは避けたほうがいい。

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